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4か月そこそこで100兆円の富が失われている

2008年1月22日放送

日経CNBC マーケットラップ

報道解説部 中嶋健吉さん

日本が先頭を切って下がってきたマーケットではあるんですが、これだけ連日、割安感を指摘する指標が相次いでいる中で唯一足りないのは、ひょっとしたら政治的な発言だと思うんですよね。

昨年の9月16日に福田政権が発足してます。その時の時価総額500兆円ちょっとありましたよね。今日は400兆円下回ってきていますから、4か月そこそこで100兆円の富が失われているという事実をやはり深刻に受け止めるべきだと思いますね。少なくても、株価が割安だということは間違いないわけですから。

まさに世界的な株安の連鎖ということだと思います。

連日、割安感は指摘されているわけですが、どうしてもこの負の連鎖から逃げ切れないということです。

今日もあっさりと13000円を下回り、12000円台の攻防ということですが、チャートでこの12000円台というのが、いつ付いた値段か見てみたいと思いますが、次のパターンになりますね。

ちょうど窓、2005年の8月から9月、上昇局面で付けたのがちょうど12000円から13000円のレベルですが、そこのあたりを少し拡大してみますと、このようになるわけです。

実は8月の8日、郵政民営化法案が参議院で否決され、即、衆議院が解散された日ということになるわけです。

そして総選挙は9月の11日に行われました。

自民党は、大勝ですね、296議席プラス84議席という歴史的大勝を得たということで、それがちょうど日曜日であったわけですので、翌9月11日の月曜日と金曜日の安値ですね、この間で非常に大きな窓があいていると、実は今日はこの窓を埋めにいったといえるんではないかと思います。

ちょうど、12692円です。今日はそれ以上に大きく下げているわけですが、まずはこの窓を埋めたということになります。

ただ、株価がこの水準まで戻ってきたということは、俗に小泉構造改革内閣、そのあとこの大勝を受けたマーケットは小泉構造改革を大きく期待したということで大きく上伸するわけですが、結局その水準まで戻ってきたということになるわけです。

このところ構造改革の遅れということを指摘され、外国人が頻繁に日本株を売り始めているという情報もあるわけですが、言い換えれば、そうした材料もこの株価水準はほぼ織り込んでしまったのかなという水準まで今日は戻ってきているということです。

もう一つ今日ポイントになりますのが、朝は全面安、これはアジアの全面安を受けたわけですが、後場寄りはSENSEXですね、昨日急落しましたSENSEXがきわめて安い値段で始まり、2029ポイントは何と11.5%安のところでサーキットブレーカーがかかりました。

そして、再び始まったわけですが、そのあとは総じて下げ幅が縮小、ちょうどそれが日本時間の2時27分にあたるんでしょうか、日本株は若干反応したあとは、ずるずると下げてしまうわけですが、残念ながら今日はまた一つリンク債ですね、これでノックインが始まったといわれています。

今日のノックイン価格はちょうど12583円になるわけですが、ちょうど引けはこれに向かって一気に下げ幅を拡大していったということで引け値ベースでノックインをしてしまったと、ちょうど153億円のファンドの規模だといわれております。

ことことさように、こうした形で買い物がないところ、思惑だけでマーケットがばらされているということ、言葉だけでもいいんですが、政策対応が出てきてもおかしくない、そういう水準に来ているのではないかという気がします。

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