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ある意味では理想的な戻りに近かった

2008年1月17日放送

日経CNBC マーケットラップ

報道解説部 中嶋健吉さん

まさに、久々の反発ということかと思います。

先週の木曜日から実は日経平均は4日続落でありました。

その間約7.5%の下落、さてTOPIXは8.6%下落ということで、実は、TOPIXの下げ率が日経平均を上回っていたという事実が、まずあったということです。

その結果、昨日の新安値銘柄数が1,165という、これ実は過去最大の値を記録したわけですが、言い換えれば、広範囲に、ほとんどすべての銘柄が、売られてということを意味するわけです。

市場は日経平均に連動するリスク連動投信、いわゆるノックイン投信に関心が向いていたというのはこのコーナーでも説明しておりましたが、事実、相次いで昨日は仕掛け的な売りの前にファンドが5つ近くノックインしたということがあったわけです。

ただ、昨日に関しては、それでもTOPIX型のほうが大きかったという、この事実は一つ注目しようかと思います。

今日になりまして、このTOPIXの下げの大きさに関して、市場関係者の間で話題になっていますのは、何か欧州系の投資家が、ここ数日、TOPIX型のETFですね、これを実は大量に売っていたんだ、という話が出てきているわけです。

ただ、その売りも本日は止まったということになります。

需給面を総括しますとTOPIX型ETFの大量売りがあったということ、二つ目にはリスク連動型投信のノックインをさせるためのある意味仕掛け的な売りがあったということ、その結果、大幅下落で信用取引の買いの解消売りの3つの要因が多重に重なったということが、今回の下げの大きなポイントかとします。

本日はそれらの要因が消え、自律反発の域に入ってきたということですが、より具体的には、朝高の後、アジア株が急落したこともありまして、後場寄りはむしろ安く始まってきたということですね。

これは大きく水準を切り下げた後場寄りの気になります。

そして、象徴的には、日経平均は大きな節目といわれています13,500円、これを下回り、かつ、TOPIXの一つのポイントの1,300ポイント、これを下回ったということです。

実は、個人的には理想的な動きではなかったのかなと思っています。

特にTOPIXですね、今日は最終的には1,297ポイントまで後場寄り下がったわけですが、実は、TOPIXの上昇は、2003年の4月の770ポイントから2007年の2月の1,823ポイント、ちょうどこれの50%押しですね、これは1,297ポイントにまさにぴったり一致するという、まさに象徴的なイベントを経ての戻りということになるわけです。

例えば、朝方の上昇局面そのままにマーケットが上昇を続けてしまいますと、残念ながら、ほとんどの投資家はついていけなかったんではないかと思います。

むしろ、朝高の後、一呼吸入って、節目を下回ったということ、これでどちらかというとダイレクション、方向性にベットする投資家は空売りを重ねたという感じがしますし、片や、買い方につきましては節目を下回ったというのは非常に買いやすくなったのではないかと、その結果、一息入り、かつしゃがんだという形で、エネルギーが溜まったという、それを受けた後での戻りということになりますので、ある意味では理想的な戻りに近かったなあと個人的には思うわけであります。

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