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非常にわかりにくいマーケットだなあという印象がありますよね

2008年1月21日放送

日経CNBC マーケットラップ

報道解説部 中嶋健吉さん

非常にわかりにくいマーケットだなあという印象がありますよね。

売買代金、6日ぶりに3兆円割れということなんですが、ただ先物の売買枚数は17万4000枚以上ということで依然として高水準なんですよね。

こうゆうことを考えると、今日は債券先物、株式先物と先物市場だけがマーケットを支配したという感じがしますね。

先週末、東京マーケットは発表されますアメリカの経済政策のテコ入れ策に非常に期待感があったわけです。

ただ、残念ながら、いわゆる小粒のテコ入れ策だというで、ニューヨークマーケットがマイナスで帰ってきたということ、これが一つ読み違いであったのかなという気がします。

となりますと、今夕のニューヨークマーケットは休日ということもありますので、マーケットはどうしても先物だけが売買されるという極めていびつな展開で終わってしまったということかと思います。

さて、この経済対策ですが、16兆円規模ということですが、この多寡の問題については、まずそれ以上に中身がはっきりしないということ、マーケットが多分に嫌気したという気がします。

ただ、規模が少し小さいということについて、なるほどと思わせる部分があるわけです。

思い起こせば、日本の場合は1990年のバブル崩壊から2001年まで、約11回の景気対策を打っているわけですが、その総額は約120兆円だといわれています。1回当たり約11兆円前後ということになるんでしょうか。

ただ、金融危機が叫ばれました1998年、これにつきましては、4月の橋本内閣で約16.6兆円、そうして11月の小淵内閣ですね、これではむしろ減税と社会資本整備中心に24兆円、総額で40兆円近い金額が1年間で投入されているということです。

経済規模を見ますと、アメリカは日本の倍以上あるわけですので、16兆円というのはいかにも小さいなあという印象をどうしても持ってしまうということになります。

となりますと、マーケットが期待しますのはそれ以上に金融政策ということになるんでしょうか。いわゆる間断ない金利の引き下げということかもしれません。

となりますと、今日の動きみていきますと、まず、前場の段階では、失望感から当然、株が売られてくるということ、そして、金融政策面の期待から、債券が買われるという、ものの見事な逆相関が前場出ているわけです。

ただ、午後に入りますと、いわゆるギザギザの展開ということで、それはそれなりに裁定が入っているわけなんですが、ここで一つ見ておきますのは、債券の先物ですね、急伸したわけですが、その結果、前場段階で138円55銭という値段が付いているわけです。

実はこれ、どういうことを意味するかといいますと、次のチャートにありますように、138円56銭という2005年の1月ですね、138円56銭というのが付いているわけですが、まさにそれに匹敵する水準に来ているということです。

そして、目をよく凝らしていただきますと、これは見事に逆相関の感じになっているんですね。ちょうど、逆対称ということでしょうか。この138円56銭に対して、下値は130円台でぴったりと一致しているということで、となりますと、これ以降、債券につきましても目先138円55銭あたりをピークに、このあたり、数カ月当たりもみ合うという可能性も出てくるということ、このあたりがいま一つ債券を買いにくくし、逆裁定の動きが間断として出てきたという、これが午後の動きかと思います。

そして、もう一つポイントがありますが、これは後ほど説明したいと思います。

日経平均の現物、そして先物と金曜日の安値残念ながら下回ってしまったんですよね。ここでポイントとなりますのは、午後の先物の動きが乱高下、これは債券先物との間の裁定が入っていたんですが、非常に乱高下しました。

一つの大きなポイントは、三菱UFJ証券が出します日経連動型のファンドですよね、償還条件保障型というんでしょうか、これノックインプライスが実は13328円なんです。今日、安値が320円、金曜日の安値を下回ってノックインしてしまったんですよね。

言い換えれば、ノックインさせるための動きが後場から急速に強まって、売り買いが交錯していたということがいえるんじゃないでしょうかね。

そういった意味では、かなり思惑的な特異日であって、本当にそれを見て、買い手の買いの手が引っ込んでしまったということですかね。

上値につきましては、先ほど申しましたように、債券の先物の高値意識ですよね、138円55銭、このあたりまで買われますと、これに比べるとちょっと割安になった日経平均型に買い物が入ってくるという形で、下値が抑えられるという感じにもなっていますよね。

ですから、今日は本当に上値は債券先物の値段で、下値はノックインのプライスでという形で非常に限定的な形で動いてしまったのかなという感じがしますよね。

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