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とりあえず吹っ切れた後の戻り、それもかなりしっかりとした戻り

2008年2月7日放送

日経CNBC マーケットラップ

報道解説部 中嶋健吉さん

わかりずらい一日ではあったんですよね。ただ、端的に言えば、大台を割った後の戻りですんでね、一つ吹っ切れた形も出ているということで、この戻りそのものは決して悪くない、むしろ評価していいのかなという気がしていますね。
見ておきますと、何と言っても、ニューヨークは3日連続の、ある意味では大幅安ということで帰ってきたわけです。さらに、アジア市場ですが、旧正月入りということで、例えば上海市場などは来週12日までお休みということになるわけです。そして、何と言っても明日はオプションSQ、これだけ不透明要因が重なってまいりますと、どちらかというと思惑だけが先行するマーケットになりがちという気がします。例えば、この次のチャート見ておきたいんですが、寄り付きから9時15分までの先物の動きですね、これはいったい何が起こったんだということです。日経平均の先物13050円の寄り付きでしたが、たった15分間で13210円までの棒上げということになるわけです。シカゴの終値が13115円で帰ってきますので、何とそれを100円近く上回ってしまったということになるわけです。これはある意味ではロングになっていった銀行、そして債券先物、これを売り戻し、さらにショートになっていた株式先物およびソニーなどを買い戻したのではないのかなというのが一般的な見方になっているようです。ただ、こういった買い戻しが終わってしまいますと再び債券が買われ、株式先物が売られるという展開になるわけです。その結果、日経平均の先物はじりじりと下げていって、あっさりと昨日の安値、これがちょうど13050円になるわけですが、これを下回り、さらに節目の13000円も下回る12980円ということになるわけです。この急激の下げの中には今申し上げましたようにアジア市場がこれから休みに入るということで、念のためということでヘッジ売りが日本にかかったのではないのかなと、こうゆう見方もあるようですが、真偽のほどはわかりません。ただ、見ておきますと、債券の先物ですね、日経平均の先物が12980円の安値を付けた後、債券先物は高値を取りに行きます、137円98銭ということになるわけです。実はこの137円98銭は昨日の高値138円14銭にははるか及びません。さらに138円も回復できていないということで、如何にも上値の重さを感じさせたということになるわけです。その結果、一気に売られ過ぎた株式を買い戻し、さらに上値が重い債券も売り戻す動きが後場から出たんではないのかなという気がします。市場の一部からは13000円割れを見て、PKO、プライス・キーピング・オペレーションですね、いわゆる公的資金などを使った買いが恣意的に入ったんではないかという見方も一部あったようですが、これはわかりません。ただ、噂として出るほど、急激な戻りが後場に入ったということは、これは間違いなかったのかなという気がします。冒頭申しましたように、大台を割れた後の戻りということで、とりあえず吹っ切れた後の戻り、それもかなりしっかりとした戻りで高値圏で終わっているということで、いろんな要因が絡んでいるかとは思うんですが、まあ、この動きは、それなりに評価していいのかなという気がして今日の動きは見ておきました。

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2008年2月6日放送

テレビ東京 ワールドビジネスサテライト 

アメリカが大統領選挙の大きなヤマ場スーパーチューズデーを迎える中、日米の株価が大きく値下がりしました。資源高やサブプライム問題の中で、年明けから不安定さを露見させるマーケットの動き、今、世界経済は大きな曲がり角に差し掛かっています。その行方のカギを握るのはアメリカ経済、次のリーダーはアメリカ経済をどう導いていくのでしょうか。時代の方向を左右するアメリカ大統領選挙をゲストとともに考えてまいります。

慶応大学教授 竹中平蔵さん

日本に対する政策って、命題的に関心は高いんですが、実は、日米間を支える基本的なパイプというのは、以前に比べたら非常に細くなっているんですね。日米関係、ここんところつつがなくやってきたんですけど、かなりブッシュ、小泉の個人的な関係に依存してきたという面が強くて、私は誰がなっても、日米関係もう一回パイプを太くしようということを求められる、その意味で日本に求められることは、どなたがなってもそんなに大きく変わらないと思うんです。そう考えておいたほうが私はいいと思います。

日本から見るサブプライムとダボス会議で議論されたサブプライムはずいぶん違っていたと私は思うんですね。ある日本の閣僚がですね、これを見ていると日本のバブル崩壊時を思い出すと、日本人の多くの方はそうゆうふうに思っているかもしれませんが、それに対しては、それは違うだろうという意見が結構出た。理由はいくつかありますけどね、日本が経験したのはまさにシステミックリスクだったわけですね、銀行部門全体が資本不足に陥っているのではないだろうか、アメリカは確かに大きな問題で、予想以上に大きな問題で資本不足に陥る可能性がある、そういうところも出てくるんですが、銀行部門全体が、そうゆうふうに極端な資本不足になるという状況とは違うわけです。かつ、ソブリンウェルスファンドの問題もありますけれども、とにかく今資本増強もしてますし、そしてこれは経営の失敗ですから、失敗した経営者はすぐ責任を取らされている、日本は経営者が責任を取って、資本増強するまで12年かかったわけですから、それとは一緒にしてくれるなという感じがすごくある。

少なくても2月ぐらいから損失が確定してきますから、今一番慎重に見極めなければいけない時期だ、だからそれが大きくなるんじゃないかという懸念もあって、株価が乱高下しているわけですけども、基本的なベースは、当時の日本とは違う、実際に、アメリカの企業向けの貸し出しというのは、現状の日本よりはるかに伸びているわけですから、ライス国務長官がダボス会議で使った言葉なんですが、これはタービュランスであると、乱気流、乱気流というのは二つ意味があってですね、これは乱気流だから揺れるぞ、気をつけろと、ものすごく慎重にやれというのが一つのメッセージだけども、乱気流だからいつかは抜ける、乱気流から抜けた時に高度1万メートルなのか、高度1000メートルなのか、マクロ経済的な影響こそが重要であると。だから、サマーズは間違いなくアメリカはリセッションになるといいきりました。ただ、リセッションまではいかないスローダウンでとどまるんではないかといった専門家も多かった。私は限りなく不況に近いマイナス成長に近くなるような、大幅なスローダウンというのを覚悟しておかなければいけない、マクロ的にはそう思いますね。

日本は成長率を高めなければいけない。日本は今基本的に内需がすごく弱くなってきていて、成長期待がしぼんで、世界の各国よりも株価の下落が大きくて、これ成長期待が下がってきているわけですよね、日本は再び高く成長するぞと、改革を続けることによって成長しつずけるぞというメッセージを政府が強く出すと。経済連携とか、開かれた国ということも含まれるし、さらには郵政民営化に匹敵するような大きな改革の目玉を出せと。それが私は改革期待を高めると思いますよ。ひとつ例を言うとね、2005年郵政民営化決めたじゃないですか、あの1年間で日本の株価って40%上がったんですよ。改革が進むという期待をマーケットに与えれば、消費も投資も反応してくると私は思いますね。
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野村証券 チーフエコノミスト 木内登英さん

国内では物価が上がっているということで消費が弱くなっている部分があるんですね、ですから悪い物価上昇ということなんですけど、ただこれは待ちに待った物価上昇でもあるわけですね。デフレ脱却ということで。これが賃金の上昇につながってくれば、これは良い物価上昇になる、すぐではないですけども、そういうことだと思うんですね。長い目で見ると、値上げがいっぱい相次いだね、あの頃が転換点だったなとあと何年か後か知りませんけど、そうなるといいなと思いますね。

減税とか、金融緩和とか相当なことをやっていると思うんですね、市場ではいま一つ評価されていない感じがあるんですが、そのことは患部に働きかけてない、ダイレクトにですね、という感じがしているんだと思います。金融問題ではなくて、減税とか金融緩和に政策が向かっている。これは特に日本人ですが、公的資金を金融機関に入れないとサブプライム問題は解決しないし、アメリカの経済回復しないと決めつけている、これは日本の経験から言っているんですね、やっぱり日本とアメリカ、竹中さんがおっしゃったように違うんだと思うんですね。むしろ心配なのは、ソブリンウェルスファンド、政府系ファンドが入ってくるのを規制するような動きがアメリカの政府にある。そうしますと、せっかくそのお金を使って、金融機関が健全になろうとしているところにストップかけるわけですから、自分で自分の首を絞めてしまう、それはちょっとやめたほうがいいのかなと思いますね。

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