一つ一つかかっていたもやが晴れる形で、買い手口、売り手口が明らかになってきているということはマーケットにとっては大きいんではないでしょうか
2008年2月21日放送
日経CNBC マーケットラップ
報道解説部 中嶋健吉さん
何と言っても今日は日経平均、TOPIXとも25日線が瞬間ですけども上向いてきたんですよね。明日、明後日は25日前の応答日の関係でまだまだ上下取れるんですけれども、どうでしょうか、来週あたりは明確に上昇トレンドが確認されそうですんで、これはひとつ大きなポイントになりそうですね。
今日のマーケットは昨日とは全く逆の展開となったわけです。後場からは一段と上げ幅を拡大というのが日経平均の動きではありましたけれども、これは図らずも木曜日は上昇するというアノマニー、これを証明した形で終わっているわけです。債券先物、株式先物の間での裁定が入っているというのは昨日と全く同じかと思います。昨日を少し振り返っておきますと、後場から債券先物が急速に買い上げられ、株式先物が大きく売られたということです。その材料として言われておりましたのが、コールバーグ・クラビス・ロバーツ、KKRですね、子会社がどうやら資金繰りに詰まっているらしいだとか、フランスの大手金融機関がサブプライムにかかわる評価損を再度大きく計上するらしいという噂があったわけですが、実はそのあとマーケットが開きましたヨーロッパ、アメリカなどを見ますと、こうしたものは全く材料としては取り上げられていなかったということがあとでわかったわけです。現実の問題、なにか仕掛け的な動きの一つの材料として意図的に使われたのではないのかなという気がします。事実、引け後のポジション、もしくは手口を見ていきますとマーケットのかく乱要因としてしばしば挙げられますクレディ・スイスですね、これが日経平均の先物、TOPIX先物合わせて約7100枚の大量の売り越しになっていたということが知れているわけで、何となく仕掛け的なものがあったのかなあという気がします。そして、今日はということですが、市場関係者の話を総合しますと、後場からフランス系の大手銀行が債券先物にかなりまとまった売り仕掛けをかけているという、こういったうわさが頻繁と聞こえてきます。あえて名前を言いますと、BNPパリバ証券だということですが、こういった動きを考えますと、なにか仕掛け的なものがその背景にあろうかと思うんですが、一つ見ていきますと、昨日の手口、特にTOPIX先物ですね、このBNPパリバ証券が何と6621枚の大幅買い越しの手口を示して、市場関係者の注目を集めていたという事実にいきあたるわけです。となりますと、今日の債券先物の大量売りというのも、あながち何か整合性があるのかなという気がするわけです。それ以外に、株式先物に何か手口が出ているか、これは後に出る手口の内容しっかり調べてから見ていきたいと思うわけですが、ことことさように、何かひとつ大きな手口的なものがあるんですが、一つ一つかかっていたもやが晴れる形で、買い手口、売り手口が明らかになってきているということはマーケットにとっては大きいんではないでしょうか。
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2008年2月20日放送
テレビ東京 ワールドビジネスサテライト
原油価格が再び100ドルを突破しました。私たちを取り巻く物価はどう変化していくのでしょうか。今もありましたように、原油の価格、19日のニューヨーク市場で一時1バレル100ドル10セントまで上昇し、史上最高値を更新しました。そして、原油価格の現在の値なんですが、1バレル99ドル16セントとなっています。こうした原油高が続く中、日本では今日、18日現在のガソリン価格が発表されましたが、こちらは9週連続で下落となりました。背景として、個人消費が弱い中で販売競争が激しくなり、値下げにつながっていると指摘されています。その一方で、生活必需品の値上げのニュースというのは番組でも頻繁に伝えてきています。値上げと値下げ、双方の動きが進行する日本の物価、今後どちらに一体向かうんでしょうか。
日本総研 副理事長 高橋進さん
今までずっとせめぎ合いが続いてきましたよね。原材料価格が上がっているからメーカーとか仕入れ業者はできるだけそれを上げたいと言っていると、ところが、小売りの側がそこでストップをかけて消費者に転嫁させないと言ってきたわけですけども、あまりにも原材料価格が上がりすぎたんで、この構図がもう限界に来ているということだと思うんですよ。もしこれ、ずーと価格上げないとですね、企業どんどん収益悪くなってつぶれてしまいますよね、そういう時にどうすればいいかというと3つぐらい対策あると思うんですが、一つは世界的に原材料上がっているんだからある程度価格上がるのはしょうがないということで消費者にある程度価格転嫁をしていく。もう一つは、企業の側でどんどんコストを抑制していって、原材料価格上がった分を吸収する。これが二つ目。三つ目に違うところで売り上げを伸ばしていく、売り上げを伸ばすことでカバーする、この三つの方法があると思うんですが、どうも今までの日本企業というのは、コストを抑制する、とりわけ人件費を抑制することでしのごうとしてきたというところがあると思うんですよね。でもこれあまりいきすぎちゃうと、人件費抑制するということは商品悪くなるということですから、余計縮小均衡になっちゃうんですよ。ですから、これからは、ある程度価格は転嫁していく、一方で人件費はあまり抑制しすぎない、特に割かし業績のいいところはむしろ積極的に人件費を上げていく、賃金上げていくぐらいのことが必要だろうと思います。もうほとつは、売り上げを伸ばしていく、国内の売り上げは伸びないんで、国内だけで競争しているとシェア争いで価格引き下げになっちゃいますよね。そういう業種はできるだけアジアに出ていって、アジアの売り上げを伸ばしていくことによって、全体のパイを大きくして、コストアップをしのいでいくと、いくつもの戦略を組み合わせて凌いでいくことが必要だと思いますね。
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中小企業にとっては、年金だけではなくてですね、例えば、健康保険料の払いもものすごい今は増えていますよね。そういう意味で、中小企業の社会保障負担というのがすごく重たくなってきちゃっているというところに問題があるんで、これを究極に解決しなくちゃあいけないと思います。そのためには、例えばですけども、年金を税方式にして、税負担の方式にすると、そうすると企業の社会保障負担減りますよね、その分ね、そういう形にして、中小企業の救済といいますか、中小企業の負担を減らしていくということをやらなくちゃいけないんじゃないかなあと、そこまで考える時期に来ているんではないかと思いますけどね。
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日本について半分はリップサービスですが、半分真実だと思うのは、そういう大きく伸びる地域がアジアにあるんで、特に中国ですよね、中国だけじゃなくてアジア全体もですけど、したがって、日本がそのアジアに向かってどんどん市場を開拓していく、輸出を伸ばしていくということをすれば、日本も一緒に伸びられますよということを言っているわけ。他力本願ではあるけれども、日本の進む道はそこにありますよと言っているわけですよ。
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格差対策として中小企業の活性化、これが必要だと思います。二つ手があるんじゃないかと。一つは税制改革です。今、事業承継税制とか言われてますが、例えば、法人税の減税、年金の税方式とか、幅広い意味での、広い視野に立った税制改革、これをやるってことは一つ。二つ目にですね、私はアジア市場開拓基金、あるいはアジア市場開拓ネットみたいなものを作ったらいいんじゃないか、自治体とか投資家が中心になってお金を出してやると、これ、アジアに出るということだけじゃなくて、例えば、アジアから来る観光客をもっとたくさんタクシーに乗せるとかですね、そのためのいろんな仕組みをつくるとか、国内でアジアの活力を取り込んでくるような仕組みを何か作れないだろうかというふうに考えるんですけどね。
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