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安全保障上の問題ということになりますと空港ビルに出資するのとはちょっと桁が違うなあ

2008年2月25日放送

日経CNBC マーケットラップ

報道解説部 中嶋健吉さん

久々に月曜日ではあるんですが、大変いい終わり方だなあという印象がありますね。マーケット全体に何かちょっと吹っ切れた動きが出てきたんではないでしょうか。
今日のマーケット、何と言っても全面高ということでしょうか、1,511銘柄、約87.5%の株が上昇したということになっています。何といっても、ニューヨークがプラスで帰ってきたということが一番大きいわけですが、そのニューヨークも一時期は130ドル安というところまで売り込まれていたという経緯があります。このモノラインのアムバックに対する金融支援の具体化案が今週初めにも出るんではないかという期待値で大きく反発したという経緯があったわけです。それを受けました東京マーケットもその期待値から朝非常にしっかりの展開でした。そして後場に入りまして、どうでしょうか、12時40分前後でしょうか、ウォールストリートジャーナルの電子版がこのアムバックと金融機関との間で、要するに大きなリストラをやる反面、30億ドルに近い、要するに資本受け入れ、これで合意に達する見込みが非常に強いという、こうゆう報道がなされたわけです。ということで、後場は一段高というようになるわけです。先物が非常にわかりやすいんで、先物のチャート見ておきますと、その結果、2月4日に付けました日経平均先物の13910円ですね、これを抜く形で今日は980円まで買われているわけです。この結果、1月22日の12510円、これが一番底、そして2月12日の12930円、これがどうやら二番底だったなあということで、これが確認されたということかもしれません。ちなみに、日経平均、そしてTOPIXの現物ですね、これも相次いで2月4日の高値を抜いているということでチャートの形状は全く同じ形になっています。そして、チャート上の妙味はこういった形で増してきたということもあります、その中で唯一いわれておりました、この買い手不在というこの流れがあったわけですが、買い手不在につきましても、このところ相次いでSWF、ソブリン・ウェルス・ファンドですね、これの買い観測がいわれているということになっているわけです。中東だとか、シンガポールのいわゆる政府系ファンドの買いということはここしばらくいわれていたわけですが、先週金曜日あたりからいよいよ中国のソブリン・ファンドですね、これの動向が具体的に報道されるということです。特に英国のタイムズの報道によりますと約100億ドル、邦貨換算で1兆円強、これだけのものを使って主に国際石油帝石という個別銘柄が出ているのはちょっとめいようではあるんですが、それ以外あと数銘柄に投資した、もしくはするという、こうゆう報道観測がなされているということです。この国際石油帝石ですが、実は日中間で今非常に問題になっています東シナ海での油田開発、この開発にあたりまして経済産業省から唯一試掘権を認められた企業であるということです。そういった企業であるだけに中国のソブリン・ファンドが大量に買いに出るということになりますと、安全保障上の問題ということになりますと空港ビルに出資するのとはちょっと桁が違うなあという、こうゆう印象があるわけです。ただ、国際石油帝石に関しました、いわゆる操業の安全が担保されれば1000億円以上の資本を投下してでも東シナ海の油田開発をやりたいと言っているだけに、まあ見方を変えれば、ソブリン・ファンドが帝石の大株主になれば、そのあたりが意外と担保されるんではないかという、こうゆう見方も成り立つわけで、このあたりの理解がこれから日中政府間の間で合意をもっていく可能性があるのかもしれません。

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