日米の経済連携協定をという意味は、先進国とやるとまた違った意味がある
2008年2月1日放送
テレビ東京 ワールドビジネスサテライト
外資といっても、これ政府系ファンドですからね。
したがって、対日直接投資は少ないですから、基本的には外資でなくちゃいけない、先進国全体で見ても外貨が流出したのを取り戻さないと経済が回りませんからね、必要なんです。
ただ、政府系ファンドの場合にはですね、当然、証券投資みたいな利回りを狙う投資部分と、他方で国家戦略というのが必ずありますから、それは政府系ファンドの特徴ですから、したがって、投資を受け入れる側もですね、当然、原則は受け入れなんですけども、こうゆう部分は受け入れるにも限度があると、こうゆうことをきちんと決めていくということが必要だと思うんですね。
今みたいに、空港ビルどうするんだという議論が出てくるわけですが、ただ、日本の場合にはですね、諸外国と比べると投資受入額がはるかに少ないですから、まず、もっとどんどん受け入れるというスタンスで臨むことが、まずは必要だと思いますけどね。
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今までの経緯なんですけれども、95年ぐらいまではですね、比較的物価に連動してベースアップがあるんですよね、95年以降、その関係が崩れてましてね、特に2000年以降見ていただくと、デフレの中で賃金は下がってないということですから、そう意味ですと、それは悪くはなかったんですが、足元は逆にインフレになってきていますので、そういうふうに考えますと賃金は上がっていかないと実質的な賃金というのは目減りしていくというふうなんですね。
もっとも、今申し上げたように、2000年以降、デフレに中でも賃金下がらなかったから、企業にとっては努力してきた面もあるので、物価が上がったから、すぐに賃上げというふうにならない面もあるんですが、ちょっと極端な例ですが、過去の石油危機の例を振り返りますとね、あの時は物価がものすごく上がって、賃金も後追いしてものすごく上がっているんですよね。
他方、企業は産業構造を変えるとか、大変な自分たちの構造改善をして、新たな物価のステージに調整をして、日本の企業の産業構造がもっと強くなったということがありますので、今回もレベル感はちょっと違うんですけれども、いずれにしても、物価が上がってきた分だけ賃金も上げて、消費をアップして、他方で企業の収益が圧迫されますから、その分は是非産業構造を変えるとかですね、新たな原油価格100ドル時代に合った企業の再構築を進めてもらいたいと。
両方相まってこそ、日本の産業が強くなり、日本の経済が強くなるということだと思うんですよね。
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株価も下がっているし、投資家離れもしているし、企業も不祥事があったりしてですね、なかなかうまくいかないわけですよね、全体レベルアップしなければいけないわけですが、どうレベルアップするかということなんですが、実はイギリスで世界的にもベンチャー多く上場してうまくいっている新興市場AIMというところがあるんですけれども、見ていただくとプロ向けの市場なんですね、プロしか入れない、その代り上場基準は極めてゆるくて、ただしアドバイザーが必要なんだと、要するにどういうことを言っているかというと、プロですから投資のレベルが高いわけですね、他方、企業のほうはアドバイザーが付いてしっかりとしたビジネスモデルでやってほしいと、そういう形で、その代り上場が緩いという形の中でですね、投資家も集め、企業も集め、全体としてレベルアップもできていると、こうゆう形になっているんですね。
なんでイギリスの新興市場のお話をしたかというとですね、今年、日本でAIMにならってプロ向けの市場ができるんですよ。ですから、いろんな試行錯誤があっていいと思うんですけど、一つ新興市場の中で、イギリスのAIMにならって、レベルの高いプロが投資をすると、しかも上場する企業もレベルの高いベースを狙うと、それで全体市場が活性化すれば、それによってさらに新しく生まれる有力な企業も増えてくるし、市場も活性化するし、投資家も集まってくると、こうゆう試みになると思いますのでね、いろんな試みがあっていいと思いますが、大変興味深い動きだと思いますね。
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日本はアジア諸国中心に経済連携協定を一生懸命やって、高成長するアジア経済の成長力を日本に取り込もうと、こうやっているわけですね。
私自身は、日米の経済連携協定をという意味は、先進国とやるとまた違った意味があると思うんですよ。
もっと具体的に言うと、先進国とやる場合には、経済大国のアメリカの経済力を日本に取り込むという面もありますが、加えて、アメリカのグローバルスタンダード、世界的な規制が、市場経済原理みたいなものが、しっかり日本に入ってくる面がある、もちろん取捨選択というのはあるんですけど、ただ、日本の場合には、いろんな意味でですね。
海外に比べてグローバルスタンダードが日本に入ってなかったり、少し世界の流れに遅れてたり、いろんな規制が残っていたりという面がありますから、そういうのを吹き飛ばす意味でも、逆に日米とか、そういう形で経済連携協定やって、とりわけEUみたいにですね、一種域内では同じような枠組みでやるんだ、その中で競争するんだ、いうことになると日本も国際感覚ができてくると思うし、全体としてみればですね、大変に経済活性化してくるんではないかと思いますね。
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