これまで日本の産業は値下げの努力はとっても得意です
2008年2月29日放送
日経CNBC ウィークリーラップ
報道解説部 中嶋健吉さん
今週一週間は水曜日までで530円ぐらい上げたんでしょうかね、この二日間で450円下げてますから、行って来いという感じでしょうか。今日は2月の最終日ということもありますね。為替、債券、これが非常におかしな動きをし始めたということですよね。まず為替、これが105円割れたあたりから一気にストップロス的なものを含めて円高が進展してしまったと。あと債券につきましては138円のところに来ますとコールをもっている投資家が約5000数百億円ぐらいの行使がされたと言われていますが、言い換えればコールをそれだけ売っている投資家ですよね、138円上回りますとどうしてもヘッジ的に先物を買っていかざるを得ないということで、一気に138円40銭台まで上昇しましたね。株はといえば、意外とこれが13500円しっかり守っているんですよね。25日線だとか、あとは基準線でしょうか、一目均衡表の、このあたりがぴったりと張り付いてそれを割らなかったということ。考えると、相対的にはしっかりとした1日だったのかなという感じはしますけどね。
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2008年2月28日放送
テレビ東京 ワールドビジネスサテライト
千葉商科大学大学院教授 斎藤精一郎さん
国民にとって生活の安全保障、あるいは安心の一番重要なのはお金もありますけど、健康、病気ですよね。あるいは最近問題になっている出産の方がたらいまわしにして問題になっていますよね。そうゆう面で、基礎的な、だれでもアクセスできて、割に近くにあって、総合的で、高度なとこまでも緊急もやってくれる、基本的な国のお金できちんと整備して、全国に650か700作るとですね、そうゆうサービスは基本的に安心で、国民が安心していられるというちょっと試算するとできるんですね。だいたいお金としては5兆円ちょっとかかります。それに、全国に配置をするとネットワークで結んで、いざとなればお医者さんにない場合には光ファイバーで指示もできるような、そうゆうシステムをつくると。そうすると5兆円程度、程度というか財源をどうするか、消費税にするとわずか2%ですよね。これを国民が納得してくれれば、できない場合にはまだあるんです、手が。国有財産とか、歳出削減、国有財産売ってもらうとか、あるいは政府がまだ持っている株式、それを売却するとか、そうすれば、国民が安心する医療システムがすぐにでもできると。そうゆうことを早く厚生省、やってほしいですよね。年間の費用が5兆円ぐらいでできます。消費税にすると2%ぐらいです。そうゆう考え方がないんです、日本には。
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2008年2月28日放送
NHK総合 クローズアップ現代
新興国で急増している富裕層、そのパワーが今日本に押し寄せています。中国などアジア各国からの観光客、高価な時計や家電を次々とまとめ買いしていきます。アジア太平洋地域で急増する富裕層、その資産規模は520兆円に上ります。消費が低迷する中、地域や企業で国内中心だったビジネスモデルを見直す動きも始まりました。新興国の富裕層は日本をどう変えるのか、その可能性を探ります。
日本政策投資銀行 藻谷浩介さん
国内だと、佐賀のブランドが、だとか、そうゆうふうになりますけど、外から見ると日本全体のブランド力が高くなっているんですね。それは日本が本場だと思われているんですね。同じものを買うにしても、日本の製品を日本の本場で買ってきたほうが価値が高い。なぜ本場だと思われているか。本場の人たち、日本の消費者は目が高いと、日本の消費者が喜んで買っているものは価値も高いし、たぶん安全だし、品質も高いんじゃないか、日本の消費者の目を通っているということが、実は信用の証になっているんですね。日本の実は価値というのは消費者の目の価値なんですね。
我々も同じだと思いますが、同じものでも輸入されているもの以上に現地で買ってきたというと価値が付きますよね。消費全体が、富裕層になればなるほど本当にいいものは世界中から輸入して買っていますね。その中で本場で買ってきたということがより一層の価値を見出す人が増えていると思います。
富裕層、お金をお持ちの方が買っているというのは新しい局面です。もともと日本の製品は世界上で売れていて、誰でも買うんだけれども、特にお金持ちの方が買っているということは我々が思っている以上に日本のいろんな商品の価値が高いということなんですね。車なんかもそうですし、さっきの牛の場合は、特定の地域で取れている牛という地域ブランドが高い価値だと思われている。僕らの国内で流通しているよりも本当は価値が高いんだということに気付くと売り上げが増えていく。実は大きなチャンスですね。北海道でですね、一番高いお昼ごはんを食べようと思ったらいくらだろうと調べてみたら1万円とっている店がないということが実はありまして、気が付いた人たちが、連携して北海道で1万円のお昼ごはんを食べられるプロジェクトをやりましょう。参加するレストランを募りまして、6つのレストランで1万円ランチというのを出したんです。誰が一番喜んだかというと、もちろんお客さまも喜んだんですが、作っているシェフの人がですね、1万円の値段出してもらえるんでしたら、これまで築地に行っていた食材を地元で買い落して出せると。今までよりもずっと高い素材、本当の北海道のいい素材を使える。今まで東京に買い負けしてたんですね。それを現地で出すと、おいしいものを食べたい人が北海道に食べに来てくれる。実際作っている人が一番喜んだ。逆に言うと、地域の人たちが本当は自分たちの地域のものはこれだけ価値があるということを実感できたんですね。
値上げの努力です。これまで日本の産業は値下げの努力はとっても得意です。地方もそうでした。いつも値下げ求められ。これから一番高いものをいかに高く売れるか、ピラミッドの頂点をいかに高くできるかをやるとすそ野がどんどん広がります。高いものが高く売れれば、安いものもいくらでも売れるようになります。逆はないんですね。一番高いものをいかに高くするか、これ高かったら誰も買いませんから、納得できる質のもとに高い値段で売れるか。これが今地域に求められています。
日本の国内の観光というのは、今まで日本人を相手にやってきたんですけども、これまでほとんで目を向けてこられなかったんですけども、ミシュランとかをきっかけに、日本に行けば素晴らしいおいしいものがあると。いいものがあると急に知られてきてですね、まだ始まったばかりで、これからどこまで伸びるかわからないぐらいこれから伸びると思いますね。今のところ、それに先に気付いてやった白馬のような地域に集中してお客さんが来る傾向があるんです。ほかの地域は待っていないで同じように努力をしなければいけない。もともとオーストラリアのお客様は日本と季節が逆ということで北海道にたくさんいらっしゃっていたわけですが、もっと日本ぽいところもあるんじゃないかと、北海道もいいんだけど、だけど白馬がこっちは日本らしいよ、と売り出した。さっきご覧になったように、日本の普通のすし屋に入って、同じものを食べていますね。日本のほかの地域だと外人さんがいらっしゃったからステーキでも出そうと思う、そんなことする必要はまったくない。一番日本らしく普通にやっているものを出せば、実はそれが評価されて人が来る。その時に、やっている側、白馬の場合、努力して、なるべく長い間滞在していただく、同じお客さんが何回も来ていただく、薄利多売ではなくて少ない人に対して高く売る高利小売を考えているわけですね。平均10泊ぐらいしていただけるということになりますと日帰り客が100人以上来た経済効果があります。そうゆうふうなやり方をとられて努力しているんですよ。
サービスをして10泊すると飽きますよね。飽きないように同じ宿だけじゃなくて、外に出て遊んでいただけるように努力をする。同じものばかり毎日食っていたら飽きますから洋食も充実する。いろんな案内を付けて多様な時間消費をしてもらう。そうするとそれがさらに進みまして、日本の生活はいいなということになるとお帰りになってからも日本製品を買ってくれる確率が増えていくんです。かつて日本がイタリアによくいくようになって、イタリアの料理美味しいじゃないかと気がついてから急に国内にイタリア料理屋が増えました。僕らが昔食べなかったオリーブオイルだとか、チーズも平気で食べるようになりましたね。同じように、日本に来ていただくお客さまにきちんとサービスをして、本当の日本をわかっていただくと、お帰りになってからも日本製品を輸入してくださるんです。マーケットが広がっていく可能性が高いんですね。それもこれも来ていただいた方にどこまで本当の日本らしさ、そして地域らしさを味わっていただけるかにかかってます。
買い負けというのは日本人の消費者にとって見ると確かに負けているんですが、作っている側からみたらどうでしょうか。これまで日本人相手にいいものを安く売っていた、ほら見ろ外国の方がやっぱり非常に高く評価してくださっている。つまりそれだけ価値があったということなんですね。さっきの牛肉なんかもそうです。本当に価値のあるものを高く買ってくださるということは生産者にとっては勝利です。買い負けは消費者にとってはあれかもしれませんが、日本でまじめにものを作っている人の勝利なんですね。もっともっと農業や漁業を含めて生産者にお金がいくようにするには、いいものを高く売って、それで給料を上げてですね、我々がいいものを消費できるように、好循環を作る必要があります。やりようによっては、本当に高く売ることによって、まだまだ日本人の所得は増やせると思います。
この話の非常に大きなリスクは一度来てがっかりすると二度と来ないということなんです。やはりすべての分野に通じますけど、何度来てもいいと、だんだん期待が高くなっていくのに応じて、ことらもレベルを上げていって、高まった期待を裏切らないようにサービスレベルを上げていかなければいけません。これは一部の観光地だけの話ではなくて、モノづくりから何から全部同じですね。日本製品に対する期待を上回るものを常に売っていけば、我々のマーケットはまだまだどんどん拡大していきます。
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