何となくこの12500円台に節目が重なっているということ、これも早々と上値の重さを気にさせた
2008年3月19日放送
日経CNBC マーケットラップ
経済解説部 中嶋健吉さん
上値重かったですね。全くその通りの動きになりまして、今日は久々に株式、債券、そして円ですね、これがそろって高かったという、こういった状況ですので、マーケット全体の動きも、ここ2、3日続きました異常な動きから正常化してきたなと、こういった印象が残った一日でもありましたね。
一昨日から昨日の前場段階まで債券市場、大変変な動きをしていたというのは昨日もこのコーナーでも申し上げたわけですが、債券先物高、どちらかというと長期債が大きく売られるという展開ですね。ふつう、先物が高い時はだいたい現物が高いのが普通なんですが、それは一つの流れとして、今までのポジションの巻き戻しが広範囲に、特にヘッジファンド中心に行われたんではないのかと。ただ、昨日の後場からそして今日と、そうした特殊な動きも姿を消したということで、通常のパターンに戻ってきたんではないのかなという気がします。その中で債券に関しましては、アメリカのFFレートの下落も含めて来期以降、依然として低金利が続くという読み、これが一つ背景にあり、なおかつ、この3月は来期以降のポジションを積み上げるという時期にも当たっているということで、実需買いが今日の債券を支えたという感じがします。さらに一つの動きとしまして、株式についてはあすは休みだということもありまして、どうしてもポジションを小さくせざるを得ないという、こうした動きの中で、今日はかなり債券優位の裁定が続いたなという感じがします。そして、株式に関しましても、今日はもう少し上がってもよかったんではないかという見方もあったわけですが、思い出しますと、3月の11日に、例えばニューヨークダウが416ドル上がった、これは大変大きな上げをやったということをご記憶かと思いますが、その翌日の3月12日の東京マーケット、何が起こったかといいますと、寄り付き段階でこそ、510円高の先物の始まり、価格にしまして13130円という、こうゆう値段で始まったんですが、そのあとは一貫して右肩下がり、一時期は12700円台に入って、終わりが12890円という、どちらかというと行って来いという形になっています。そうしたことがあったんでしょう、今日はどうやら投資家の間では慎重な見方につながってきたということかと思います。さらに、一つの上値のめどとして、12500円、これがどうしても意識されるわけですが、12500円レベルといいますのは、1月の22日の安値、これは投資家のすべてがまず下回らないだろうと思っていたこの安値ですが、これを簡単に下回ってしまったという、12510円という先物の値があります。さらに3月のSQ値、これが12518円と、何となくこの12500円台に節目が重なっているということ、これも早々と上値の重さを気にさせたということで、今日はちょっと重い展開が続いたのかなという気がします。
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2008年3月18日放送
テレビ東京 ワールドビジネスサテライト
迷走が続いていた日銀総裁人事ですが、明日の任期切れを前に日銀総裁が空席となることがほぼ確実となりました。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング 五十嵐敬喜さん
消費をもっと伸ばすためには、家計にもう少しお金を回さなければいけない。そのために金利をあげたらどうかということなんですよね。家計がネットで受け取っている金額、つまり預金金利なんかは受け取るんだけれども、住宅ローンの金利なんかは払わないといけない、差し引きしたらどうなっているかということなんですけども、もともと受取が大きかったんですけども、97年からずっとマイナスになって、2005年度だと10兆円ぐらいのネットの支払。単純に5000万世帯で割ると20万円ぐらいですかね、年間20万円ぐらい取られているという感じなわけですから、これは家計にとって相当な重しですよね。じゃあ、金利上げたら住宅ローンを返している人大変じゃないかという形あるかもしれませんけれども、住宅ローンの金利というのは固定化しておくことでかなり抑えられますよね。一方で、預金金利なんかはすぐに反応していくので、金利を上げた時にかなりのお金が家計に行く。預金を一杯持っている高齢者世帯なんかはむしろ元本使いたくないけど、金利だったら使いましょうかということになりますから、消費をかなり盛り上げてくれる。あんまり急激に上げると中小企業何かが大変なりますからゆっくりゆっくりですけども、上げていくという考えがいいと思います。
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