短期的なポジション作り、これが今日のマーケットを作っている
2008年3月26日放送
日経CNBC マーケットラップ
経済解説部 中嶋健吉さん
配当が102円前後と言われていますんで、日経平均、今日は最終的には38円安でしたでしょうか、実質的にはプラスということです。ただ、奈何せん、出来高が盛り上がりませんね。先物がやっと10万枚できていますんで、今日もまた新たなポジション作りを先行させるという意味で、やはり先物主導型というふうに言えるのかもしれませんね。
今日から実質4月相場入りということになります。さらに2008年度相場入りということでもあります。振り返りますと、昨日までは、ある意味マーケットの中で買い要因が先行した動きがあったといえるんではないでしょうか。端的に言いますと配当取り、そのための買いが継続していたということでしょう。さらに本決算のために貸株の返却、それの買い戻しが行われていたということです。さらに期末特有のウィンドウ・ドレッシングに伴う買いと、今日はいよいよ実質2008年相場入りということですんで、まずはこの配当が確定した銘柄、これについては上昇した局面ではまずは配当が確定していますので売りから入ってくるということでしょうか、売り要因になります。さらに、貸株が新たにできるために新規売りが始まるということでしょう。こういった形では、今日はかなり売りが出ていたという見方もあります。さらにウィンドウ・ドレッシングで買ったもの、これは持っている必要がありませんので売りになると、こうした売り要因になる、まさにこういった動きがあったんでしょう。さらにTOPIXなどは5日連続して上昇していたということもありますので、今日はそういった意味もありますので売り先行から入っておかしくはないということかと思います。さらに、裁定に絡む新規のポジションですね、今日から数日かけて各業者それぞれの思惑で作っていくんだろうということですんで、それに伴う動きも出始めたということでしょう。端的に見ておきましょう。今日は債券先物と株式先物、この動きですよね。何度もこのチャートは出しておりますが、今日は前場段階でかなり明確な動きになっています。債券先物、高値では141円17銭、これ2回にわたって付けているわけですが、実は3月の18日には、5年ぶりの高値になります142円を付けています。そこまであと一歩という水準であります。そうしますと、こうした債券の急騰を見ました債券関係者の中では、ある意味買われる理由が分からない、不可思議な動きだという、そうした債券先物の動きになっているということでしょう。ということは、先ほど申しましたように、まずは株を売る、言い換えれば株安ありきの債券高という動きだけが今日のマーケット支配したというふうに見てよろしいんじゃないかなとという気がします。短期的なポジション作り、これが今日のマーケットを作っているだけに、これがこれからの方向性を決める動きには、まあ、なりにくいのかなという気で今日1日見ておりました。
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2008年3月25日放送
テレビ東京 ワールドビジネスサテライト
今日は消えた年金問題で起こっている予想外の状況についてお伝えします。
みずほ証券 チーフエコノミスト 中島厚志さん
官主導で国策として官民合わせて大きな巨大プロジェクトをぜひ推進してほしいということなんですよ。これいろんな意味がありましてね、一つは、例えば有人で月に着陸すると、こうゆうことをやれば、仮にそこまで行かなくてもですね、いろんな技術の波及だとか、新しい技術の開発とかできるんですね。国民に夢も与えられる。という意味で非常にいいし、さらにもう一つあるのはですね、新しい産業を興すということにつながるんじゃないかと。例えば、そこに出てくる巨大プロジェクトというのは超音速旅客機の開発でもいいし、次世代といいますか、次の世代のロボット技術みたいなもんでも、あるいは環境技術でもいいんですけども、それが新しい産業になって、世界に波及していくというふうになると、ちょうど今の時点というのは産業革命が起こるようなタイミングでもあると。過去、産業革命というのは4回とか5回とか、蒸気機関から始まって、鉄鋼だとか、航空宇宙だとかあるんですが、ちょうど5,60年のサイクルなんですね。1900年の初めごろ、そして1950年代、そして今2000年に入っていますから、新たな大きな産業革命が日本発で起きるということにつながれば、またいいし、幸い技術の種がありますので、環境工学もあるし、遺伝子工学もあるし、ナノテク技術もあるし、どれが産業革命になる、ならないはわからないんですけども、ただ一つの企業ではできないような巨大な開発というものをやっていけば、必ずや大きな波及効果があるし、その中で産業化されるものがあれば、大変な日本の経済活性化になると、こう思いますね。
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2008年3月25日放送
日経CNBC マーケットラップ
経済解説部 中嶋健吉さん
何といっても今日は3月権利付き最終日だということで、何らかのお化粧買いも入るんだろうという見方もあったわけですが、確かに引けにかけて先物がぐいぐいと上げましたよね、普通ですと理論価格ですと80円の差額があってもおかしくないんですが、今日は最終的には現物とは15円下というかなり先物が大きく買われたという展開でした。まあ、しっかりしたマーケットじゃなかったでしょうか。
今日の引け値ベースで安値からどうでしょうか、あらあら1000円以上の戻りを達成したということになるわけです。それでも市場関係者の中では、まだ半値戻しも達成できていないというで、早急にこの半値戻りの達成を願う声が非常に多いという感じがします。チャートでいえば、次のようになっているわけですが、2月27日の高値、これ日経平均見ています、そして直近安値が3月17日の11691と半値戻りの水準が12898。TOPIXも見ておきましょう。TOPIXの場合は1255ポイントということですので、今日の引け値ベースでもまだちょっと上があるなあという気がします。半値戻りが必要なのはなぜかといいますとちょうど下げ幅の半分、言い換えれば買い方のコストがちょうど下げ幅の半分という半値というあたりから上が買い方のコストだろうと一般的にみられているということがあるようです。確かに過去の経験則からいきましても、半値戻りから出来高が膨らむということ、これはよく知られているということです。今回、代金、出来高が増加しないというのは、まさにそのとおりでして、半値も戻っていないために買い方の回転が全く効いていないという、これが最大の理由ではないのかなという気がします。さて、今日は後場から一段高ということになったわけです。マーケット関係者の間では、どうやら公的資金が主力の大型銘柄を買っているという、こうした買い観測が大きく出ていたわけですが、ただどうでしょうか、今日はこうした公的資金の買いがなくても朝の段階からいわゆるハイテク、そして自動車関連株でしょうか、こうゆうところが非常に強かったなあという印象があります。昨日のこのコーナーでも申し上げましたが、アドバンテストですね。これ因縁の3月12日の戻り高値2470ですね、これを大きく超えてきたということですが、今日はキヤノン、これが3月12日の高値4750円、これを引け値ベースでも上回ってきたということです。このように銘柄が徐々に広がりつつあるというのは、顕著にハイテクに出ているということで、この流れしばらくは続く可能性あるのではないのかなという気がしています。
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