日本がいかに世界中に痛みをもたらしているかというのが特集なんですよ
2008年3月12日放送
日経CNBC マーケットラップ
経済解説部 中嶋健吉さん
もう少し上昇してもよかったのかなということと13000円台回復してもよかったのかなといろいろあるようですけども、あれだけ大きく下げた後の戻りですので、まだまだ投資家の心理が強気には絶対的に傾いていませんので、とりあえず様子を見ながらという感じになるんで、多少やむを得ないのかなという気がしますね。
何といっても米欧の中央銀行の協調資金供給という、まあ大変なニュースが飛び込んできたということで、ニューヨークダウは何と2002年の7月以来でしょうか、5年8か月ぶりの大幅上昇ということになったわけです。それを受けた日経平均の、この場合は先物を見ておきたいんですが、実商いが指数を作っているということで、一番実態に合っているということかと思いますが、寄り付きは13130円と、実はこれ大証終値比510円高という大変高い寄り付きになっています。さらにCMEの清算値が13005円でしたので、これをも125円上回るという大変強い始まりということになりました。ただ結局は寄り高、そのあとはじりじりと水準が切り下がっていくということで、ある意味では買い戻しだけがマーケットを支えてしまったんではないかという見方、これが大きく出てきたようです。買い戻しが一巡すれば、全くこういった形で終わってしまうんだということで極めて冷めた見方ということですが、ただ気をつけておきたいのは、今日はメジャーSQの前々日にあたるということでSQに向けてそれなりの思惑が交錯する、ある意味では最後の日であるということかと思います。日経平均の現物が13071円、これが今日の高値ということですが、これはこのままで上昇したんですが、2月のSQ値が13089円ということですので、やはりこの水準になりますとどうやらやれやれのSQがらみの売りが出てくるという、こういった可能性も指摘されるんではないでしょうか。さらに今日は商いが前場に集中したということもありまして、俗にいう加重平均株価ですね、これはVWAP値ということですが、これは約12960円から8円あたりをうろうろ動いたわけです。引けにかけてもかなり高いということになるわけですが、先物トレーダー、このVWAP値に10時までの値幅、これを上限のレンジとして一応の目安を付けるようです。一日のトレーディングレンジを決めているようなんですが、これを見ていただきますと、10時までの高安は13140と12990とこの値幅約150円、これにVWAP値、かりに12980円としますと下限は12830円、上限は13130円ということで、実は今日の値幅にぴったりはまってくるということになります。後場にかけて急速に売られ790円を付けましたが、12830円ですね、この水準で後場長くもみ合ったということは指摘しておきたいことであります。ということになりますと、今日はこういった形で売られたわけですが、ある意味では今日のニューヨークを待つという形で、かなり合理的な引けになっているのではないのかなという気がします。確かに一部買い戻しだけという限定的なエネルギーを指摘する声もあるようですが、マーケット大きく下げた後だけですので、じりじりとこうゆうものを積み上げていきながら水準が上がっていくという、こうゆう動きも想定できるんではないでしょうか。
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2008年3月11日放送
テレビ東京 ワールドビジネスサテライト
収まる気配のない金融不安を収めようとアメリカやヨーロッパなど五つの中央銀行がまた追加的な資金供給を協調して実施すると先ほど発表しました。
ボストンコンサルティングS 日本代表 御立尚資さん
ちょうど2週間前のイギリスのエコノミストの表紙を見てたら、特集がこんな感じだったんですね。JAPANと書いてあって、そこに筆でIというのが足してあって、JAPAIN、もちろんこんな単語はなくて造語なんですけども、日本がいかに世界中に痛みをもたらしているかというのが特集なんですよ。非常に私なんか悔しい思いをしたんですけども、この痛みの根源というのは世界第二の経済が政治が何もものを決められない状況で全く動かないと。これは日本だけの問題ではなくて世界にとって憂慮すべき事態だと。経済のことは実際は日本の政治によって世界的に問題になっているという考え方なんですね。実際には先ほどありましたように時価会計の仕組みのもとではいろんな形の証券化商品が今売れない、誰も買ってくれないと、これゼロ査定ですから価値がないと、全部損になるということで今いろんな手をやっているんですね。ですから金融システム自体は緊急治療室に入っていると。みんなで何とかしようという時に日本だけが与野党、相手のせいだからと言いながら日銀総裁が決まらないというのは、これは多分ありえない状態だと考えたほうがいいと思うんで、何とか、日本の経済そんなに悪いものではなくて、仕組みもいいものなんで、ここを脱却するためには少しご意見の違いはあるんでしょうけど、歩み寄る姿勢をシグナリングしていただいて、世界に理解してもらえる方向にもっていかないと非常に好ましくない状況だと思いますけどね。
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部門の壁を越えてアイデアを出そうとか、意志統一しようとか、あるいは先送りしないでやるという、チーム型の仕事をしている日本企業にとってはこうゆうやり方もありかなという気もするんですね。特にみんなで会議やっていると意外に見落とされているんですけども、人材教育とかですね、人材育成になるんですよね。いったい何を議論して決めなければいけないかというのは会議見てればわかるというのはあるんですね。ただ、これ日本に閉じた話だといいんですけど、例えばグローバルに展開しなければいけなくて、同質じゃない人、海外の仲間たちと議論しなくちゃいけないと。あるいは同業種ではなくて異業種と組まなければいけない時って、このやり方が通用するかどうかって、結構チャレンジで、日本企業やはり異質を含めたチームでどう議論するかと。自分の反省も含めてですね、そうゆう場で自分の会社の多国籍の経営会議なんかに行くとそこをどう効率的に徹底的に議論しながらまとめていくかという異質のチームを作っていく知恵って、あんまり我々上手じゃないんですね。そこができてくるとこうゆうやり方もあながち悪くないかなという気がしますけどね。
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やはり国のグランドデザインを作らなきゃいけないと。JAPAINなんて言われているのは悔しいですから、それをやるためにはアメリカの制度が必ずしもいいとは思わないんですけど、大統領選挙があって、中間選挙があると、大きな政策についていやでも議論が定期的、強制的に行われて、その中で方向性が固まってきますよね。日本の衆議院の場合、首相の解散権ということもあって、必ずしも任期ではなくて、その前のいつ選挙があるかわからないということで大きな議論が強制的にされにくいですよね。ですから首相公選制がいいのか、形はいろいろあると思うんですけど、2年ないし、4年ごとにここしばらくは年金であるとか、道州制であるとか、日本の競争力どうするんだということが強制的に議論されるような定期的な大きな選挙、これを作っていったほうがいいんじゃないかと思っておりますけど。
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