円そのものの大きな上昇でポートフォリオそのものは痛んでいなかったのかな
2008年3月17日放送
日経CNBC マーケットラップ
経済解説部 中嶋健吉さん
ベアスターンズショックを契機に壮大な仕掛けが入ったのかなという気がします。株安、そして円高ですよね、あとは債券先物高、さらに債券現物安なんですね。債券先物高、債券現物安というのがちょっと理解しがたいとこなんですが、壮大な仕掛けが先物に入ったという動きが説明できるんじゃないかと思います。冒頭申し上げましたように、円高、株安、債券先物高、債券現物安ということです。個別にそれぞれの動きを確認しておきたいんですが、まず日経平均ですね。今日はあっさりと12000円を下回ってきたということです。最終的には11691円まで売り込まれたわけですが、今チャートに出ております、今回の相場の起点となります2003年4月の安値7603円、そして昨年の高値が18300円になりますが、ちょうどこの黄金分割比、61.8%押しが11689円と、今日の安値はちょうどこれを2円高上回ったところで、それを下回らなかったと、かなりこの水準を意識したのかなという感じがします。債券先物、改めて次のチャートをご覧いただきたいんですが、先物の値は141円73銭まで買われております。当面の節目とみられておりました6月8日、2005年、この高値が141円32銭になるわけですが、これを若干上回ってきたということです。ただ、一方、現物の10年債利回り、これが今日は1.270%で引けていますが、1.280%まで売られているという局面もありました。これは金曜日が1.26で終わっていますので、これに比べますと、価格は下落、利回りが上昇ということで債券先物に比べて全く逆の動きということになります。となりますと、株先と債先、この間でかなり広範囲な裁定が入ったのかなという感じがします。特に今日は株価連動債、この絡みの動きが大きくあったと言われております。特に株価連動債につきましては12123円のノックインプライスから11833円のノックインプライスまで約6本、総額で913億円があったと言われておりますが、前場段階で早々とすべてノックインしてしまったと、これが一番大きなポイントですが、そこまで極端に株式先物が売られ、そのひとつの裁定として債券先物が買われたのかなという気がします。この後ノックインされる一連の連動債ですが、株価的にはかなり下回りますんで、当面ノックインに伴う連動債の動きは今日あたりで峠を越えたんではないかという見方になっているようです。こうして多分に外資系のヘッジファンドを中心に売りたたかれたというパターンに入ったわけですが、じゃあ、彼らがもっている日本株のポートフォリオはどうなったんだということです。これをみる上では今日の極端な円高、これが一つ回答を与えてくれるんではないかと思いますが、ドルベースの日経平均を見ておきますと、実は今日は最終的には0.27%の下落ではありますが、その直近まではずっとプラスサイドで推移していたということになります。ユーロベースではマイナス1.43、円ベースではマイナス3%の下落、これに対してドルベースではほぼフラットということですので、これだけ大きく売りたたかれましたけれども、外資系証券中心、もしくは外資系ファンド中心に円そのものの大きな上昇でポートフォリオそのものは痛んでいなかったのかなという感じがします。
--------------------------------------------------
2008年3月17日放送
テレビ東京 Newsモーニングサテライト
株主から批判が強まる可能性があります。株式持ち合いなど上場企業の株式保有で、多額の含み損が生じ始めました。シャープは去年提携でパイオニア株をおよそ14%取得しましたが、株価は2割以上下がり、110億円の含み損が発生しています。また、住友商事は先月、住友金属工業株を取得しましたが、160億円の含み損が発生しています。3月末の株価次第では損失処理を迫られる企業も出てきそうです。
アメリカは今、非常に緊迫した状況下に置かれています。先週はFRBが立て続けに緊急声明を発表、異例の行動は金融市場が非常事態であることをうかがわせます。その二つの緊急声明を受けまして、株価大きく上下に振れました。まず、FRBによる新たな資金供給策を好感し急騰、そして証券大手への緊急融資を受け急落と、結局、先週はダウは小幅高、ナスダックは前の週末と変わらずの値となりました。今週は重要な1週間です。最大の注目FOMCだけでなく、証券大手の決算、インフレや住宅に関する指標など材料に事欠きません。
経済評論家 三原淳雄さん
ニューヨークも大荒れですけどね、ニューヨークはそれはそれで、一応しゃかりきに、EUもそうですけど、これでもか、これでもかとやって、マーケットのほうが、まだだ、まだだ、とやっている姿は見えるんですけどね。翻って、わが日本ですね。あれはサブプライムローンのせいじゃない、とか何とか言ってね、困りましたねって言っているだけで、存在感どんどん薄くなるんですけど、打つ手はいっぱいあるだろうと。何でそんなに自虐的に、悲観的になるんだろうと。ちょっとまとめてみたんですが、ざっと考えただけでこれくらい出てくるわけですね。政治の不安定、不安定というより迷走ですね。暫定税率でいつまで引っかかっているんだと。そこに資源高、円高が襲いかかってきたと。それから空港ビルのようにちょっと総理大臣が外資に来て頂戴といったら、国交大臣が来るな、みたいなことをやるでしょ当然、株が下がって、下がると投資家心理がどんどん冷え込んじゃうと。財政赤字、それもまた大変でしょうけど、この期に及んでまだ財政赤字から先に片づけましょうとね。だから消費は絶対に低迷しますよ、ガード固めるんだから。だから、僕は日本はお金の話をするのはいけないことじゃないかみたいな風潮があってね、お金を正しく理解してないんじゃないか、お金の性格というのをうまく利用するときなんじゃないですか、今はね。これはどうゆうことかというと、割高なマーケットから割安のマーケットへ、低い金利のところから高い金利のところへ、弱い通貨から強い通貨へとか、そうゆうお金の性格が必ずあるわけ。しかも、今、グローバルですから、お金がちょこちょこ走りまわっている時ですから、こういったお金をどうやったら呼び込んでいけるんですか、お金はどうやったら動くんですか、お金の性格に目をつけたら、なにも国にやってもらわなくても、国は道路のことでガタガタやっていろと。そのうち1本か2本道路を節約してくれたら、これだけのことができるんじゃないですかという代案出してみたんですけどね。例えばですよ、この証券税率ゼロからいきましょうか。証券税制をぎゃあぎゃあいったってねえ、配当金総額だいたい5兆円ぐらいですから10%上げたって、せいぜい5000億ですよ。だったら、これゼロにしたって5000億なんですよ、今10%だから。道路はいくらかかるんですか、だから、道路をちょっと辛抱してもらって、5000億をゼロにすれば、配当税率ね、懐に入るわけですよ、投資家の。そうしたら、消費が活性化するじゃない。譲渡益課税、これを今度10%から20%にするなんて言ってますけどね、ただただ漫画でしょう。誰も儲けてないのにね、誰も儲けてない時譲渡益課税なんて何考えているんだよと。譲渡損はどうしてくれるかということでしょ。夕張なんか相続税ゼロにしたらいいんですよ。人口が減っているんだから、人口を増やすことを考えたら、そこに住んでくれたら、半年以上そこにいてくれたらゼロにしますよってやったらね、人口は増える、当然税収も増える。そして政府系ファンドもやりましょうと。ただし、また株で損したら国民が沸騰するから、新興国のハイイールドポンドみたいなんでやると。ODA代わりにね。資源なんかもついでに確保すると。まあ、権益伸ばすみたいにね。法人税率、これ下げないと日本が突出して高くなる。ポールソンがアメリカより高いのは日本だけだ。だから早く下げておかないと日本みたいになると言われているわけですから。やることは絶対たくさんあるということで、思い切って、これカネのかからない景気対策ですから、早速やったらどうですか、渡辺大臣に申し上げておきましたけど。
------------------------------------------
2008年3月15日放送
テレビ東京 ワールドビジネスサテライト 土曜版
今週も金融市場は揺れに揺れ続けましてドルはついに98円台まで売られました。来週も引き続き不安定さが続きそうです。
日経産業地域研究所所長 為定明雄さん
学びに来てくれるということは二つの意味でいいことだなあと思うんですけど、一つは日本流のサービスをもちかえってくれた時に、日本の企業が、サービス産業が国際展開するときに非常にやりやすくなるのかなということがひとつと、日本で一時的にせよ就職をされるということであると、サービス産業にとって比較的安価な労働力として非常に期待できるという部分があると思うんですね。日本て、サービス産業の国際化遅れてるんですが、モノの輸出に対してサービスの収支の受取というんですが、サービスの輸出というのは2割ぐらいしかないんですね。5分の1ぐらいしかない。これは先進7カ国で見ると上から5番目で先進国に中で少ないんですね。これから周辺の国、アジアの国、発展しますから、モノだけでなく、サービス業の比重が非常に高くなり、サービス産業発展すると思うんです。その中で日本の企業の活躍の余地もあると思うんですね。その時に日本の本社と現地をつないでくれるのが彼ら留学生になるんだと思います。
-------------------------
一番上の商品って、多分左右されないと思うんですね。超がつくくらいの高額商品ですね。高額消費って、消費が成熟した最近の流れかなあという気がするんですが、実は昔から結構あるんですね。形は違うんですけど、例えば、テレビ。白黒テレビもカラーテレビも出た時というのはその当時の大卒の初任給の40倍から50倍したんだそうです。だけども、買える人は買えて、みんな持っているうちに見に行ったわけですよね。そうゆう消費があったわけです。そうゆう時と今の消費と、今の高額商品と、ハイエンド商品と決定的に違うのは、当時はみんなが持っていないものをもっていたんです。お金を出して。今はみんな持っているものなんだけども全然グレードの違うものをお金を払って買うというのがハイエンド商品じゃないかとおもうんですね。こうゆうのは一般の消費者と縁がないかというと必ずしもそうではない。接点は何かというと、リフュージョンという言葉があるんですけど、何かというと、最高級商品で培った技術とか素材をより普及価格の商品に落とし込んでいくということをメーカーはするわけですね。ハイエンド商品が売れれば、ゆくゆくは我々が手の届くもので少し高級なものが手に入る、そうゆう効果が期待できるんじゃないかと、メーカーにはぜひそうゆうものを作って我々にもその恩恵を施してほしいなという気がしますね。
« それがどこ産であるかというチェックにお金を払いたくないにもかかわらず | トップページ | まさに10時まででひとつ大きな動きが終わったのかな »
「経済・政治・国際」カテゴリの記事
- クレディ・スイスの買い戻しが入るかどうかがポイントになるのかもしれませんね。(2009.07.02)
- 今日は朝から為替がちょっと異常な動きをして日経平均とほとんど連動した形なんですよ(2009.07.01)
- ETFの配当取りの動きが目先撹乱要因としてどう働くのか(2009.07.01)
- 仮に調整局面が、今がそうであるなら、ちょっと長引いてしまうのかな(2009.06.29)
- この問題がわかった視聴者の方は、オプション取引のほとんどすべてのところが理解されたといってもいいと思います(2009.06.27)
この記事へのコメントは終了しました。
« それがどこ産であるかというチェックにお金を払いたくないにもかかわらず | トップページ | まさに10時まででひとつ大きな動きが終わったのかな »
コメント