新しい相場は新しい革袋の中に入れよ
2008年3月24日放送
日経CNBC マーケットラップ
経済解説部 中嶋健吉さん
残念ながら12500円守れなかったということですが、そして出来高ですよね、これが非常に少ないと。期末特有の動きで仕方がないと言えばそれまでなんですが、ただ、先物が今日も8万数千枚ですんで、現物の出来高に比べるとかなりの水準なんですよね。ですからこのところまだ先物中心の動きが続いていますが、これを通じての一つの底値模索兼一つのアイデア確立という、まあそうゆうパターンに入ってきたのかなという印象がありますよね。
何といっても月末期末ということがあるんでしょう、商いが大きく盛り上がらないということになります。特に明日につきましては3月決算ものの最終売買日ということです。決算対策の売りもほぼ一巡したのかなというこうゆう印象を与えるわけです。ただその中でも、先週の金曜日あたりからかなり明確になってきていますのが、いわゆる銘柄の入れ替えの動きではないのかなという気がします。これは単純に今までのポジションの巻き戻しということではなく、かなり積極的な銘柄の入れ替えが進んでいるとこうゆう感じがします。より具体的にいますと、非鉄金属中心のいわゆる資源関連銘柄群でしょうか、これの弱さが今日も際立ってきたのかなという気がします。具体的には住友山を筆頭にした銘柄群、さらに商社、船株、こうゆう銘柄群が入ると思いますが、片やアドバンテストに代表される値がさハイテク群の一角、これが以外としっかりだという感じがします。この動き、チャートでみると非常にわかりやすいので、具体的に見ていきたいと思うんですが、今画面にはアドバンテストが出ています。一番のポイントになりますのは3月の12日の戻り高値、これが2470円、高値寄り付きのあと、大きな陰線を引いているわけなんですが、さてこの3月12日何が起こったかということです。実は、その前日には米欧の中央銀行が協調して融資を拡大するという、こうゆうニュースが出たわけですが、その結果、ニューヨークダウが何と416ドル高という、大変強い展開になりました。それを受けて東京市場、先物は朝の段階で510円高という、そうゆう高値で始まったわけですが、そのあとは残念ながら一貫して上げ幅縮小と、こうゆうパターンで終わり、かなり上値にしこりを作った日だと言われています。実は、その日の高値を今日はあっさり抜いてきたということ、ここがひとつ大きなポイントになるんではないかと思います。例えば、キヤノンですね。これももうあと一歩というところまで買われています。残念ながら今日は上抜いていませんが、まあこうした動きが近づいてきているという感じがします。これに対して住友山、これを見ておきましょう。3月12日の高値が今の水準から見ますとかなり高い水準にあるということですね。三菱商事なども全くおなじパターンになっているということです。今日、新たに三菱UFJ銀行ですね。これがその当時の高値、ザラバベースではありますが、抜いてきたということです。ことことさように、日経平均先物、TOPIXも3月12日の高値を抜いていませんが、先行して個別銘柄の中でこうゆう動きを示し始めたということ、これは積極的な買いが入っていると見るべきなのではないかと思います。底値は確認は取れてはいないということにはなりますが、ただ先行してこうゆう銘柄が動き始めたということは何らかの予兆を表すものではないかという気がします。特にハイテクについてはマーケットの中にしこり感がないということ、こういったことを考えますとマーケットが底を打ったかどうかは別として、これから上昇局面に入るという場合には、こうした手垢のついてない銘柄群からまず買われていくという、セオリー通りの動きが始まる可能性があるのではないかという気がします。新しい相場は新しい革袋の中に入れよと、こうゆうことかと思います。
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