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待望久しい買い本尊も出てきたのかな

2008年3月6日放送

日経CNBC マーケットラップ

経済解説部 中嶋健吉さん

久々に終日堅調だったなあという印象がありますね。特に朝の早い段階で債券が急伸したんですが、株はそれに伴って急落するということもなくて、どちらかというと債券は債券なりの、株は株なりの理由で二つともしっかりだったということで、いよいよ3月期末に見けての決算を意識した、そうした動きが始まったのかなという印象がありますね。
まあなんといってもニューヨークの反発、そして円の落ち着き、これが大きなポイントだったと思います。朝から大変しっかりの動きかということかと思います。さらに特筆すべきは昨日の日経平均、そしてTOPIXですね、これが相次いで寄り値と引け値が同じ値段になる、いわゆる十字足ですね、これを掲載していたというのが市場心理を大変明るくしているんではないかと思います。この十字足は相場の転換点を示す時によく現れるというふうに言われていますが、実は昨日もこのコーナーでご説明しましたように、日経平均の動き、上がるにしろ下がるにしろ5日から7日のタームで動いている。平均でいきますと約6日、こうした一つのリズムを刻んでいるわけですが、今回につきましては2月の27日の高値、14130円からちょうど今日が7日目にあたるということであって、この十字足はむしろ反発のしるしとしてマーケットがとらえてもおかしくなかったのかなという気がします。さらに昼休み時間中に、ロイター報道として、アメリカの民主党が質の悪化した住宅ローンですね、これを政府が買い取ってもいいという、その方向性で協議しているという、いわゆる徳政令、このニュースが流れたということで後場から一段と高くなったわけです。ただ、このロイターの報道ですが、実は朝東京マーケットが始まる前にすでに報道されていたということですので、むしろしっかりとしたマーケットがいわしたことかもしれないという気がします。ただ、これを受けた形で日本の投資家が多分煽ったのではないかと思います。グローベックス100先物指数が上昇を始めたということで、これもまた一つ強気心理を先行させたということかもしれません。後場に関しましてはまとまった買いバスケット観測、これが頻繁にいわれていました。たぶん公的資金の買いだろうと言われていますし、現実にそれらしい買いがこのところあったというのも事実のようです。ただこの買いは相場を支えるものではなくて、むしろ新規流入資金を割り当てているんではないかと、こうゆう見方のようです。つまりこのところの債券の急騰、そして株の急落ですね、こうした形がありましただけに、ベンチマークとしています配分比率、これに置きまして株の比重が大きく下落した、下がってしまったということで1-3月の新規の流入資金のうち、かなりの部分を株に振り向けて、この下がった比率を是正するという、こうゆう動きがあってもおかしくないという、こうゆうレポートが相次いで出ているわけですが、大和証券SMBCでは、1-3月の流入資金のうち、1兆円から最大2兆円あたりは株に振り向けて、このいびつになった比率を訂正するんではないかというふうな意見が出ているようですので、待望久しい買い本尊も出てきたのかなということでマーケット心理がさらに明るくなったということかと思います。

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2008年3月5日放送

ワールドビジネスサテライト

先週から今週にかけて急速にドル安円高が進んでいます。ドル安で何がどう変わるのでしょうか、今日は徹底検証します。

東京大学大学院教授 伊藤元重さん

中国の経済成長というのは、日本や韓国のかつての経験とずいぶん違うんですよ。日本もそうだったんですけど、急速に成長する国というのは、とにかく資本材だとか、原料を買わなければいけないから、輸入が多くて貿易赤字になるんですね。中国はこれだけ急成長しているのにもかかわらず、膨大な貿易黒字出しているんですよ。つまり何が起こっているかというと、生産は増えているんですね。成長はしているんですよ。所得も増えてる。国内で十分に売りきれないもんですから、それが輸出で全部出ているんですよね。これは逆をいうと、もしアメリカで成長が落ち込んだ時に、中国の作ったものを買うところがなくなりますから、これ影響相当大きいと思うんですね。ですからそうゆう意味では、中国っていうのは、我々が考えているよりアメリカやヨーロッパの景気の影響を受けると。さらによく中身を見ると、中国の輸出のおそらく60%ぐらいはいわゆる外資系企業による輸出なんです。例えば、台湾系だとか、香港系だとか、米系だとか、やっぱり外資系企業というのは中国で作ったものを海外で売ろうという意識が非常に強いですね。パソコンもそうですし、あるいは衣料品もみんなそうですし、ですから中国の経済というのは我々が想像しているよりもはるかに世界経済の中に組み込まれていて、さっき報告があったように、中国にもののための原料を輸出している日本にも影響が及ぶかもしれませんね。

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