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正常な思惑、これが出始めた

2008年4月2日放送

日経CNBC マーケットラップ

経済解説部 中嶋健吉さん

UBS、リーマンの欧米の大手金融機関、これに対する資本増強、これが目途がついたということですね。安心感が漂ったということで、特に欧米の株式市場が急伸したということになります。この流れを受けて、今日の日経平均株価見ていただくとわかりますように、窓を開けて、今日は25日線上回ってきているんですね。これはある意味では強いシグナルかという気がします。25日線そのものはまだ下落を続けますが、来週の後半、遅くても再来週のはじめからはプラスに転じることが予見されています。それで寄り前の外資系証券の注文、これ久々というか、今年に入って初めての大きさですね、1480万株の大量買い越しであったということ、金額も買い越しであったと。その背景に何があるんだということでマーケット関係者がよく言うところでは、ドル高ですよね、さらにCRB指数であるとか、金の値、これが急落しているということ。それを見ますと、どうやら商品市況から株式市場にかなり資金シフトが起こっているんではないかと、こうゆう見方になるようなんですが、事実今日のマーケット見ますと、1400銘柄以上が上昇した全面高の様相を呈しているわけですが、その中で何とマイナス圏に転じてしまったのが住友金属鉱山、さらには商社の丸紅だ、伊藤忠だと、これは朝から非常に弱い展開であったということが気になるところです。まさにこうした動きが出るうところは、それなりの資金シフトが始まっているとみていいのかもしれません。では、上昇している銘柄群は何だということになるわけですが、今日はほぼ全面高、その中でまずは内需系と言われる銀行、小売、不動産ですね。大変しっかりでありましたし、ほぼ高値圏での引けと。あとは外需系と言われますハイテク、自動車、精密、これが大変強かったということです。ただこれだけ大きな上昇にもかかわらず、売買高、代金、そして先物の枚数ですが、これは極めて限定的でした。買い戻し中心の動きと言えるんですが、出来高の増加そのもの、このコーナーでもしばしば申し上げているんですが、こうした買い戻しに加え、ある意味暴力的なショートカバー、踏み上げですね、これが入ってくることが必要です。そして、土天買い乗せ、売りから一気に買いに転ずる、さらに最後は新規買い、このあたりがそろって初めて売買高、代金が急増するということ、これはよく知られているわけです。今日のマーケット見ますと、13200円どころに、先物ですが約5000枚の売り物があったと。これはどうやらショートカット、ロスカットルールで最後の攻防戦のパターンに入ったのではないかと言われますが、実は1時過ぎ、そして引け前に13200円をクリアしてるんですね。というわけで、これは見せかけの売り玉であったんではないかと。実際のところ現物株でしっかりとした買い戻しが入っているかどうか、これを確認すべきだということで、一つのポイントとして見ておきたいのは、三菱UFJ銀行です。今日、この銀行、残念ながらストップ高にはいきませんでした。ストップ高、100円高としますと976円になるわけですが、一歩手前の969円、93円高、ほぼストップ高と言っていいでしょうか、こういった形で、ある意味ではマーケットの関心の高い大手銀行株にほぼストップ高に近い、戻しに近い買いが入っている、どうやらマーケットの中でまさに、いわゆる正常な思惑、これが出始めたとみていいのかもしれません。

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2008年4月1日放送

テレビ東京 ワールドビジネスサテライト

今日から四月、企業や制度など日本の至る所で新たな出発の時を迎えています。WBSもこの4月で20年を迎えまして、21年目の新たなスタートを切ります。一つの節目を迎えた今日は、新年度にふさわしく日本を元気にする処方箋をWBS流に提示してみたいと思います。

クオンタムリープ 代表取締役 出井伸之さん

日本の国内だけをみると日本というのは伸びてないんだけれども、日本企業全体が世界で作っている富の総価というのは、私は完全に成長度合いに乗っていると思うんですね。
グローバル企業では連結決算って当たり前ですよね。日本の国も同じだと思うんですね。日本でどれだけ作って、どれだけ売るか、どうゆう富を売っているか、そうゆうようなことを入れていけば、日本の将来はかなり明るいと思う。私は思いますね。
日本は人口たった2%しかいないということを結構忘れているんじゃないでしょうか。2%が倍になっても4%ですよね。内需をいくら伸ばしても日本そのものの富が、世界のGDPの10%今でもありますよ。それに貢献するような伸びというのはそんなに私は期待できないと思いますね。
前川レポートというのは円が200円で、あまりにも集中豪雨でアメリカに輸出してね、アメリカの巨額な貿易赤字を日本が生んだ、そうゆう所で何とかしなくちゃいけないというところで、日本包囲網というものがあって、それで日本政府がちょっと自信過剰のところがあってね、円がもっと高くてもいけるな、内需バランスすれば結構いけるんじゃないかと思ったと。その結果、株高とか、土地高とか、そうゆうふうになってしまって、結局内需を拡大しようと思った結果、出てきたのは資産バブルだけじゃないですか。そこで我々は10何年苦労したわけですから、前川レポートももう一回内需をやりましょう、土地担保にお金借りましょう、みたいなことは私は一寸考えられませんね。
海外から20年前のことを知っている人はいなくなっちゃったんですよ。中国の人が言ってましたけれど、中国の20年前というのはまだまだ国が閉じているわけですからね。そうゆう意味から言ったら、中国の人から日本のアドバイスを聞いても、日本で内需を盛んにするのは当然でしょうというけれども、中国の経済、日本なしではやっていけませんね。日本の技術があって、日本の部品があって、日本のブランドがあるから、中国という国と日本が一緒になって、アジアの強い国になっている、そう見えるんですけどね。
世界のGDPが3%しか伸びないのに、金融やっていて15%、20%伸びるというのは何か変だと思いません。それがやっと修正されて、今円高じゃないんですよ、ドル安なんですよ。ですから、日本の愚直なモノづくりというのは、もう一遍世界で見直されてきた、と私は思います。
日本がここまで来るためには営々と築いたシステムだとか、プロセスだとか、生産方式だとか、そうゆうようなものがたくさんあるんですよ。そのすべてのものを今伸びている中国であり、インドであり、中近東でも、もの以上にほしがっている。ということは、日本の資本主義みたいなものは、社会的な仕組みというのは、もっと我々に教えてほしいな、と本当に思っている。

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