ある意味では理想的な展開で今日は終わった
2008年4月10日放送
日経CNBC マーケットラップ
経済解説部 中嶋健吉さん
終日思惑が先行したといっていいのかもしれませんね。一番大きな思惑といいますのは、当番組で何度も指摘していますが、いわゆる13000円の行使価格ですね。ここで1万枚近くのオプションを使った合成先物、これがつくられていたということです。この合成先物を使った、ドレスナーとよく言われているんですが、合成先物の買い、ドイツ証券が売りというふうに言われています。今日は何と言ってもSQの前日でこれだけのオプションが建っているわけですから、オプションイコール先物の枚数と換算できますんで、1万枚の先物が売り買いで建ったといっていいかもしれまっせんね。がっぷり四つに組んだ形で拮抗した、こうした取り組みになっているということです。そして、次のチャート見ていただきたいんですが、これは日経平均先物の日中足を見ています。前場12910円、実はここまで売り込まれたわけなんですね。そのあと行使価格の13000円に頭を押さえられた形でもみ合いを続けるんですが、ここまでの間はどうやら売り方が優位だったといえます。ただ、前引けにかけては買い方が仕掛けたんでしょう。一気に13080円まで買い上げられて前場が終わったということになります。そして後場ですが、13090円から始まりましたけれど、結局高値から売り方の攻勢が入ったということでしょう。ただ、前場とは反対に13000円、これが下限という形でもみ合いに入るという、本当に目まぐるしいパターンに入ってきたわけです。結局終わってみれば、13000円を挟んで、下は90円安の12910円、上は90円高の13090円ということで、これが上限下限という形になっていますよね。ある意味では幾何学模様的な逆相関を描いたというふうに言っていいのかもしれません。これだけ13000円を挟んでの合成先物の売り買いがエネルギーの面で極めて拮抗していたと、こうゆうことが言えるんじゃないでしょうか。そして、まさかと思いました12910円、これは前場段階で付けたわけですが、これは一昨日ですね。このコーナーでも、仮にマーケットが調整を深めた場合の目安になるということをご紹介しました。改めて見ておきましょう。これはちょうど1月から日経平均の先物ですよね。12930,12930,12910、そして12910という形で、今日もこの12910あたりでピタッと止まったということになっていますよね。これはマーケット関係者、非常に意識したところだったわけですが、年初からのもみ合いゾーンであることは見て取るんですが、結局そこで注文通り止まってしまったということは、ある意味では理想的な展開で今日は終わったんだろうなという感じがしますね。
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