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質への逃避というパターンにはなっていない

2008年4月14日放送

日経CNBC マーケットラップ

経済解説部 中嶋健吉さん

売買高、代金盛り上がりませんしね。月曜ぼけと言えばそれきりですが、まあ、はっきり言えばあまり面白くないマーケットだという気がしますね。具体的に見ておきますと、何といってもアメリカ株の大幅下落とそれに追随する形でアジアも軒並み下げてしまった。日本も抗しきれなかった。こうゆうことかと思いますね。このコーナーでもしばしば説明しておりますが、年初からの先物ですね。下限と言われております12910円。残念ながら今日は若干下回ってしまいましたね。860円まで瞬間売られたわけです。ただ、これ4月の1日に付けました窓の下限、これ12810円というところがあるんですが、これは埋めなかったということで、それなりの抵抗は示しました。そして結局引けは12970円ですから、瞬間的に下げましたけれども、元の水準に戻ったと言っていいのかもしれません。同じく現物株指数見ておきましょう。まず次のチャートにあるように25日移動平均、これが12745円の水準。そして上は75日線がぱっちりと押さえているという形になっていますね。今日の引けが13437円というで、ちょうどこの間にぴったり入り込む形で、ある意味では居心地のいい水準なのかなという気がします。この75日線は依然として下落を続けますが、25日線。例えば日経平均が今の水準で推移したとしても、あす以降ぐいぐいと上昇することが予見されているということですので、強い下値支持の役割期待されているのかなという気がします。日経平均そのものも、4月1日に付けました窓の下限ですよね。先物と同じように見ていきますと、これがちょうど12799円のところにありますが、今日は当然これを埋めに入っていませんので、それなりの下値抵抗を示しているということかと思います。そして、債券との相関を見ておきましょう。今日は債券との間で逆相関の動きは出ておりません。そして債券先物そのものを取り上げてみておきますと次のチャートのようになるわけです。このところ一貫して下がってきているわけですが、特にこの25日線ですよね。これにずうっと頭を押さえられているということです。そしてその間、もみ合いの下限とみられていました139円26銭、これが先週金曜に、4月の11日ですね。ここを下回る139円13銭まで売られてしまったということで、下値にブレイクしたという形になっています。さらにもう一つ興味あるところを見ておきたいんですが、これシカゴ商品取引所での投機筋、いわゆる非商業部門というふうに言われています。これの10年債の建て玉ですが、3月4日の22万3000枚の超ロングからぐいぐいぐいと売られていったという形で、今現在はマイナスの8万枚と。要するにこの間、約30万枚ショート、金額に直しますと約30兆円。これがあっという間にショートになったということです。このところのサブプライム含めた一連の金融不安の中で、質への逃避と言われますが、債券の先物をみる限りは必ずしもそうゆうパターンにはなっていないということ。ちょっと頭の隅においておきたいものであります。

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