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自分が目ぼしい武将を探して、それに切りかかっていくという場面は、多分あったと思いますね

2009年4月8日放送 NHK総合 歴史秘話ヒストリア

謙信、変身 悩める若者、ヒーローになる

愛知大学教授 山田邦明さん
当時の武士というのは、一応誇り高いものですから、あの人には従ってあげてもいいけど、あの人は嫌だというのがあるんですね。身分関係からいくと、腹の中では、なんでお前だけがというふうに思っているに違いない、そういう意識が明らかにあって、それが謙信の悩ましかったところだったと思いますね。

あの文章を素直に読むと、私がいなくても、大丈夫ですかという質問状としか考えられないですね。ほっておいても何とかなるというのが普通の発想なんですよね。だけど、謙信はおそらく自分の仕事に自信を持っているし、おそらく誇りを持っているからこそ、ほっておけなかったんじゃないですかね。あれは一種のストライキなんです。俺がいなくても大丈夫ですか、大丈夫ですかというストライキなんですよ。

元静岡大学教授 小和田哲男さん
信玄と戦うという中で、あの場面では、自分も戦わざるを得ないというか、ただ後ろにいて、号令をするだけでは、この戦い勝てないという思いがあって、周りを士気鼓舞するために、自ら太刀打ちに及んだ。そういう中で、自分が目ぼしい武将を探して、それに切りかかっていくという場面は、多分あったと思いますね。必死さというかね、その戦いに賭けた意気込みが、多分そういう行動を取らせたんだろうなと思いますけどね。

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