中規模高性能国家を目指さなければいけないと
2009年5月1日放送 NHK BS1 経済最前線
編集長 神子田章博さん
通貨が一つになるということは、金融政策や為替政策も一つになるということです。しかし、金融業をてこに成長するイギリスと製造業など輸出産業がけん引するドイツなどとの間では、取るべき経済政策、望ましい政策が異なってきます。イギリスは、今回の金融危機で中央銀行による国債の購入など矢継ぎ早に対策を打ち出してきましたが、金融政策が一つになれば、こうしたイギリス独自の対策を打ち出せなくなる。そのことが、ヨーロッパ経済全体にとって、今はデメリットの方が大きいということのようです。ここヨーロッパでは、イギリスが当面、ユーロに加わるることはないという見方が支配的で、ユーロの拡大に向けての課題を改めて感じさせられました。
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2009年5月1日放送 テレビ東京 ワールドビジネスサテライト
野村総合研究所 中村実 研究理事
2050年で日本の人口が1億人です。そうすると、世界的に見て、大国ではないと。中規模な国家であると。生き残るためには高性能じゃないといけないと。だから、2050年に向けて、中規模高性能国家を目指さなければいけないと。
日本というと、すぐ工業の面で高性能国家だということになるんですけど、2050年に向けて考えていくと温暖化対応というのが重要なテーマだと。CO2をあまり排出しないものを使うということになりますから、今まで無視していたエネルギー政策というものが物凄く重要になる。
環境問題で、日、韓、中というのはより対話を持って、接近していかないといけないわけですね。その時、政策担当者がお互いに世界のためにどうしたらいいかを、アジア地区でどうしたらいいかを考えなくてはいけないのだから、これは経済共同体に向かっての動きだと思うんです。
温暖化が進んで、乾燥かなんかが起きて、世界の食糧生産が減ってきたら、この国にはリスクが発生するわけですよね。そうすると、リスクマネジメントとして、農業生産をフードセキュリティの立場から活性化させておく必要がある。
製造業の国際競争力だけは勝ったけど、他では環境、政治的安定性、食糧依存の安全性でも敗れている。だから、この足元を見つめ直して、我々はもう一回、ドイツに負けた部分をどうキャッチアップするかをこれから50年でやっていかなければいけないんだと思います。
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2009年5月2日放送 BSジャパン マーケットウィナーズ
ITCインベストメント・パートナーズ(株)取締役 岡崎良介さん
輸送用機械と電子デバイスが大きく回復を見せています。今回、ETC、高速料金値下げになりましたから、やはり自動車の買い替え減税の効果が意外なところで、意外と言ったら失礼かな、自動車業界でそろそろ車をもう一度作ろうよと。今まで工場を閉じていたけれども、連休に向けて、これは売れるぞと。おまけに、ETCなんかは、連休返上で工場で一生懸命作っているらしいですから、景気にとっては、まだ小さなニュースですけれども、的確なジャブが入ったかなと、そんなふうに受け止められると思いますね。
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