2010年で600万人でしょ。しかし、去年、香港を訪れた中国本土の観光客が1600万人ですね

2009年7月4日放送　ＮＨＫ総合　経済ワイドビジョンｅ

作家・ジャーナリスト　莫邦富さん
今の数値目標を見ると、2010年で600万人でしょ。しかし、去年、香港を訪れた中国本土の観光客が1600万人ですね。2010年になっても、香港に行く中国人の端数を狙っているだけですよ。その意味では、日本側にもっと努力してもらう余地がいっぱいありますね。
今まで制限が厳しすぎたので、デパートに連れていって、あるいは家電量販店に連れていって、ここで2時間ですよと。そこでいろいろ吟味するでしょ。あっという間に時間が過ぎてしまって、一つ不満です。もう一つ、この不満の裏に、日本の努力不足も透けて見えてくるわけです。地方の情報発信ができていないわけです。
上海で、東京の地下鉄を利用して、各駅に降りて、どこで遊ぶのか、そういった本が2万部刷って、すぐに売れたんですよ。日本側がどこまで積極的に情報を提供しているかと私から見れば、地方が自分の都合ばかり考えて、消費者の、観光客の立場に立って考えると、わざわざ1地方のために行くのか、たぶん行かないと思います。回遊できるようなコースを用意しないと。例えば、静岡空港から降りて、静岡、神奈川県、山梨県などを回って、東京で買い物をして、出ていくと。そういったメニューを用意しないと、ただ1地方の都市が来い来いと言っても、通じないと思います。