日本は戦略性を持って、中国とアメリカとの間できちっと対話をしていく
2009年7月9日放送 テレビ東京 ワールドビジネスサテライト
大和総研理事長 元日銀副総裁 武藤敏郎さん
日本は経済規模では中国はどんどん成長していきますから対抗できません。しかし、技術先進性とか、文化水準の高さとか、こういうものは非常に先進的な国なんですよね。こういうものをますます努力して、発展させていくことによって、十分に中国と規模ではなくて、知識力といいますか、技術力、そういうもので共同のリーダーシップがとれるんではないかと、そういう考え方も私はあるんですね。
もし本当に、日本があらゆる意味で、立場が弱くなってくるということになってくると、もちろん日本の経済力がガタガタになることはあり得ないんですけれども、一定の経済力は保持したうえで、福祉国家として、日本はアジアの中では、平和福祉国家として繁栄していくと。これは決してそんなにみじめなイメージでもないんですけど、そこは考えようによるかもしれません。
独仏とアメリカが意外と辛口の話があったりとか、緊張関係にあった時に、イギリスは常に米国と手を組んで、関係の安定化の役割を果たしているということだと思うんです。ただ、注意しなくてはいけないのは、ユーロ圏は形成していますので、したがって、日本の場合、イメージとして、中国が超大国になっていって、日中を除くアジアの国々というのも一つの共同体として、EUのようではありませんけれども、緩やかな経済関係を持っているわけですね。その中で、日本もそこに所属しているわけです。中国が非常に大きくなったときに、日本としては、例えば、安全保障の観点からみれば、日米関係というものを大事にせざるを得ないですし、これは大事にしていくべきだと思いますね。その上で、アジアの中国以外の国々、これとの連携も、例えば、東南アジアの国なんかは、日本に対しては比較的リスペクトを持っている国々ではありますから、そういうところとは十分に連携しながら、中国と、もちろん平和共存していかなければいけないんですけれども、立場として、日本の立場を主張していく、保持していくということはありうるんではないかと思います。
日本がぼんやりしていたら駄目ですよ、それは。ただし、日本は戦略性を持って、中国とアメリカとの間できちっと対話をしていくと。その際、自分の経済力は技術、文化の面で常に保持しながら、その役割を演じていくということであれば、私は大丈夫だと思います。
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