欧米では、こういう問題を食の砂漠、フードデザートというふうに呼んでおりまして
2009年7月10日放送 NHK総合 特報首都圏
スーパーに通えない
茨城キリスト教大学 岩間信之さん
実は、この問題が最初に深刻化しましたのは、1990年代のイギリスやアメリカです。例えば、イギリスを例にしますと、80年代から90年代にかけまして、都心部の空洞化というものが起きました。その中で、中心部に住んでいる、いわゆる社会的弱者といわれている人たち、所得ですとか、学歴とかが低い方々ですが、そういう人たちを中心に、やはりこういうような問題が起きました。欧米では、こういう問題を食の砂漠、フードデザートというふうに呼んでおりまして、これが深刻な社会問題であるというふうに捉えて、今、取り組みがいろいろとなされているところです。残念なことなんですけれども、日本でも地方都市ですとか、ニュータウンにお住まいの高齢者の方々を中心にこの問題というのが急速に拡大しているというのが現状です。
一番大切だと思うのが、この問題というのが、ごく限られた地区の高齢者の方々の問題だけではないんだということだと思います。海外の事例なんかを見ますと、このフードデザート問題で苦しんでいらっしゃるのは決して高齢者の方だけではありません。若い方たちも、やはり同じような問題で苦しんでいらっしゃいます。今、日本を見ますと、雇用の不安定かみたいなところで、若い方々の間でも、貧困という問題もだんだん深刻化していると思うんです。また、生活スタイルの変化の中で、敢えて車を持たないという方もいらっしゃいますし、また持てないという方もいます。こういう方々が将来的に同じようなフードデザート問題に直面する可能性というのも十分あるかなというふうに思っています。
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