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毒や薬の記録を残したいがために、人類はそういった記録方法を開発したんじゃないかなと思えるぐらいですね

2009年8月4日放送 NHK総合 爆笑問題のニッポンの教養

ヒトと毒薬

日本薬科大学教授 薬学 船山信次さん
毒と私たち人類の歴史というのは、いろんなところでターニングポイントとして出てきているかなと思うんですね。人類はある程度はあるんですけれども、うんとはないんですよね。それで、大きな動物、速い飛ぶ鳥とか、そういったものを何とか射止めようと、普通の槍とか、矢とか、そういったものでは威力が弱い。そうすると、そこの先に毒をつけて、いわゆる毒矢ですね。それを吹き矢なんかで、鳥をふっとやると、鳥が落ちてくるような、それを食べて人間が生き延びると。そういったような使い方もされて、ある方は、世界4大毒矢文明といっているんですけど。毒矢の文明というのは世界中にあるんです。北海道からユーラシア大陸の北の方ですね。これはトリカブト文化圏。東南アジアの方はイポー文化圏。それからストロファンツス文化圏というのがアフリカのほうにあって、クラーレ文化圏というのが南アメリカ、中南米のほうにあるんですね。その4つの文化圏があって、それぞれ別の毒矢を持っている。
海獣を銛でやる。銛だけではなかなか仕留めることはできないと思うんですけど、そういう時の毒を使うと。日本の現行法では絶対的に禁止されていますけど、川に毒を流して、それで魚を浮かせて、漁をするとか、そういうことで、毒を上手く使ってきたというところもありますね。その中から薬になったものもあるんですよ。それから後もいろんなこともありましたけれども、人類は記録を残すという習慣を付けました。記録を残す習慣というのは、古い記録ですね、楔形文字とかありますね。そういったものを見ても、必ず毒とか、薬の記録というのがあるんですね。あと、中国で紙が発明された昔の記録。あと、パピルスがエジプトで紙の原型といわれているんですけど、非常に古い時代の書きものの中にも毒や薬の話が、記録が出ているんですね。そういった記録を残したいがために、人類はそういった記録方法を開発したんじゃないかなと思えるぐらいですね。初めは口伝、親から子へ、一族の中でということだったんでしょうけど、それを残しておきたいということがあったんじゃないかなということを感じますね。

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