それは農業生産者だったから。なかなか農業経営者になれない。商品作りをしようとしなかった
2009年8月10日放送 テレビ東京 カンブリア宮殿
消費者熱狂 第2弾 激安に勝つ店を作れ
農業法人みずほ社長 長谷川久夫さん
人間って、責任を持った時と競争する時というのは、輝くじゃないですか。責任を持っていても輝きますよね。競争する時も輝きますよね。目的を持たない時はだらんとしますよね。そういうことで、結局、品質の競争をしていく。お客さんが選択の自由がある。今までの農産物というのは、好みじゃなくて、値段と量で選んでいたと思うんですよ。品質で選ばなかった。だから、品質で選んでいただく。
今の野菜の販売というのは、例えば、トマトなら、キロ当たり500円で売っているトマトもあれば、売り場が値段を決めているために、いかに480円のトマトを売るかということに目が行っちゃっている。500円のトマトよりいかに品質のいいトマトを出荷するか、販売するかという視点になってない。
例えば、野菜というのは、誰が作っても、品質を上げていく場合には、それなりの経費はかかっていくわけですね。例えば、キロ100円のコメを作った時の経費と、100円で売っているコメを80円にしようというのはなかなかできないわけです。それを120円で売ろうとするのには、それなりのコストをかけて、品質を上げていくことをしないと。
それは農業生産者だったから。なかなか農業経営者になれない。商品作りをしようとしなかった。市場出荷があまりにも長かったために、自ら商品を作るという意識がなかった。だから、みずほという舞台が出来て、30年ぐらいやったものを10年間ぐらいで修正したというんだから、これは、時間的に見れば、非常に速い時間での修正だと思うんです。継続は力じゃない。力は進化だよ。継続は力じゃないよ。時代にあったことをやっていく進化が大事。ただ継続したって駄目だ。
きちっと理解した人に買っていただきたいのは、きちっと手を加えた人の当たり前の要求だと思いますよ。だから、店が客を選ぶといえばね、確かに高飛車なような、あるいはなに言っているんだというようにとらえられると思うんですけど、その裏にあるのは、信頼関係を作るということですね。信頼関係を作るというのは、お互いが対等の立場で、きちっと理解し合うということですから。だから、信頼関係を構築するために、信頼し合う人だけが出会う、お互いにね。理解する場にしたい。
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