サービス業が北海道から沖縄まで潤うような社会の生活の仕方に、国も中心になって変えていく
2009年9月12日放送 NHK総合 経済ワイドビジョンe
三菱UFJリサーチ&コンサルティング理事長 中谷巌さん
どんどん低価格、そして給料も安くなっていくという、このスパイラルというんですか、これが今、起こっているわけですよね。結局、グローバルな経済体制の中では、どうしてもそういう構造というのができてくるわけですから、やっぱり、社会というか、国の役割というのは何だろうというのをもう一回ちゃんと考え直す必要があると。このままどんどん自由に市場競争をやって、競争原理をどんどんやっていって、行き着くところまで行って、日本の社会はどうなるのっていう、そこのところを一回見直し。仲間、要するにこの日本社会の中で住んでいる仲間を見殺しにしないということでしょう。ある程度下がってきた人たちをどうやって国として支えの手を差し伸べるかという、そういったあったかい発想というのが、根本になければ、もちろんみんな頑張らなければいけないですよ、もうどうにもならなくなったそれ以下に行った人をほっておくというわけにいかないわけですよね。
星野リゾート 社長 星野佳路さん
私はサービス業にいるんですけど、日本のサービス業の生産性というのはまだ低いんですよね。セーフティネットというのは確かに必要だと思います。製造業の生産性は確かに世界でも高い。サービス業の生産性はまだまだ低い。高い生産性を持っていた製造業で世界と戦っていた時というのは、グローバリゼイションというか、自由貿易というのはよく感じたんですよ。競争力のある製造業で戦っていたわけですから。ところが、日本の経済構造全体がサービス業にシフトしていって、労働者の大半が今、サービス業になっているわけですね。生産性の低い分野で、急に世界で戦うようになると、不利に感じているということだと私、思うんですよね。ここは、セイフティネットは大事ながら、グローバリゼイションを止めるとか、自由主義に走りすぎないのはいいですけど、止めちゃうというわけにはいかないわけで、基本は、私は、サービスセクターの生産性を高めて、どこでも世界で戦えるだけの産業にしていくという、そういう転換が必要だと思います。
サービスセクターの需要が平準化して存在するような、仕事が平準化して存在するような私たちの生活、ライフスタイルを変えていくということが必要ですし、インフラも東京の周りというのは有利なんですね。地方に行けばいくほど不利になっていると思うんですけど、それは飛行機の運賃が高かったりとか、高速道路の料金がまだまだ高かったりとか、ガソリンが高かったりとかもあるんですよね。サービス業が北海道から沖縄まで潤うような社会の生活の仕方に、国も中心になって変えていくというのとが、私は大事だと思いますね。
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