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幸せの方程式がいろいろ刷り込まれている

2009年9月11日放送 NHK総合 特報首都圏

生きづらさから抜け出せるか

東京大学大学院 教授 カン・サンジュンさん
いろいろなレベルがありましたけど、せつないほどに自己防衛を、そして何とか自分が変わろうという、いろんな試みがあって、何か、ああ、と思いましたね。
待っていても社会が変わらないと。何十年待っていても変わらなければ、まず自分たちでやれることからしようということではないんでしょうかね。
僕は、一つは比較をしないことですね。メディアやいろんなところで、幸せの方程式がいろいろ刷り込まれていると思うんですけれども、比較をしない、身の丈で、自分でこれがいいというものを探していくということですね。同時に、それを探す中で、きっと自分と同じような境遇の人と出会えると思うんです。そういう人たちといろいろ対話をしながら、孤立しない、これ大切なことだと思います。
少しずつ、自分の価値観というものが、刷り込まれたものではなくて、自分なりの幸せの方程式を作っていかなければいけませんし、そのためには、確かに待っても変わらないから、地域社会の中で少し絆を深めるとか、場合によっては有権者ですから、政治に参加してみるとか、いろんな試みをある意味では楽しくやったほうがいいと思います。
結局、女性の生きづらさは、男性の生きづらさと合わせ鏡になっていると思うんですよ。体調が悪いのに、自分の病気を公にできない人がいましたよね。会社に知られるとまずいと。これって、男性にもよくあることだと思います。だから、男性も生きづらい。だから、もう少し男性の生きづらさを変えていく。具体的には、人生コースの、ライフコースの複線化図るべきだと思います。たとえば、産休、育休をキャリアの断絶とか、まずいことだと、ネガティブなことだと考えちゃう。それはまずいと思うんです、それこそ。それは社会にとって必要なことなんですよね。ですから、病気をした場合には、病気を治して、復帰していく。そういう余裕を持って働ける職場にし、場合によっては、途中でどうしても辞めなければいけなくなっても、もう一回自分でキャリアを積んで、もう一回リターンマッチができる、敗者復活戦ができるということですよね。

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