非常に静かなんですけれども、円安が長期化している仕組みなんではないかなというふうに思います
2009年9月19日放送 BSジャパン マーケットウィナーズ
ITCインベストメント・パートナーズ(株)取締役 岡崎良介さん
まず、現在アメリカは実質的にゼロ金利政策です。昨年の12月から。実際に政策金利を比較しましたが、アメリカが0.25で、日本が0.1。他の通貨はみんな金利が高いんですね。いわば、アメリカのドルを使ったドルキャリートレイド、ドルを借りて、いろんな通貨を買うという、それがブームになっているのかもしれません。それともう一つ、金融危機が克服されました。ということで、ドルが調達しやすくなった。ドルが借りやすくなったんですね。それともう一つ、皮肉な話なんですが、景気が回復してきました。回復すると、アメリカの輸入が増えます。アメリカの輸入が増えると、日本の輸出が増えます。あとは、貿易黒字と貿易赤字という話なんですね。ですので、結論なんですけれども、簡単にはこの三つは変わらない構造的な要因になっている。これが非常に静かなんですけれども、円安が長期化している仕組みなんではないかなというふうに思います。
本当のところは新しい財務大臣、藤井財務大臣、こちらに意見を聞くしかないんですが、しかし、私は、介入というのも難しいのではないかと思います。理由はこの二つです。ひとつ目。円の独歩高ではないということです。つまり、円だけ、円売りドル買い介入しても、ポンドでドルが弱くなるとか、ユーロでドルが弱くなるとか、一つの穴をふさいでも、全部の穴が開いていたら、残り全部開いていたら難しいですよね。それともう一つ、アメリカは日本のお隣中国に人民元を強くしなさいと言っているんですよね。中国がアメリカにとっての最大の貿易赤字国なんですが、日本も3番目ぐらいに位置しているんですけど、同じように貿易赤字国ですからね、アメリカにとっては。中国だけ人民元高を要求して、日本円は弱くしてもいいというと、中国怒りますよね。
何か大きな次のリスク、危機的状況が生まれるまでは、簡単に動かないんではないでしょうか。ちょっと悲観的すぎるかもしれませんけど、為替については、慎重に見たほうがいいように思います。
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