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外部に対して、その事実を説明したり、情報を発信するということに気が回らないというんですか、そこまで至らない、思いが至らない

2009年10月9日放送 NHK総合 特報首都圏

消えない不安 臨界事故から10年

原子力安全委員会 委員長 鈴木篤之さん
原子力関係者は、特に現場においては、原子炉の安全、あるいは原子力の安全、これを技術的に確保すること、確認することにまず全精力を集中するもんですから、その内部で一生懸命努力はしているわけですが、外部に対して、その事実を説明したり、情報を発信するということに気が回らないというんですか、そこまで至らない、思いが至らないっというような状況があるようであります。そういうことで、この事故の教訓の一つは、やはり技術的な安全だけではなくて、社会的安全と言いますか、安心と言いますか、そういうことについて、自ら進んで情報を提供するということが大事だと、いうふうに思っています。

原子力安全委員会としても、被ばく医療体制について、少しでも、その充実とか、整備につながるようなことについては、今後とも検討を続けていきたいと思っています。その場合、日本というのは、臨界事故も経験しましたし、また、唯一の被爆国でもあります。したがって、被ばく医療については、いわば日本は世界の中核となって、その技術や知識を広めていく、責任がある意味ではあるかもしれません。そんなことから、原子力安全委員会は、年に一度、アジアの国々に集まっていただいて、臨界事故で得られた知識や技術について、皆さんにもその情報を共有していただくということを毎年やっていますが、そういう努力を通じて、国際的に役に立つ日本の被ばく医療というものを考えていきたいなと、こういうふうに思います。

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