上昇余地がそれほどない、その中での小幅の上昇となり、1300あたりを来年末にかけて達成するかどうかというところ
2009年11月27日放送 テレビ東京 Newsモーニングサテライト
徹底検証 余剰資金の行方
丸紅米国 ワシントン事務所長 今村卓さん
ひたすら金融市場の性格を強めていると。ワールド・ゴールド・カウンシルというところによると、1-9月期の金の世界の需要統計を見ましても、投資需要が前年同期比で約3倍、宝飾品需要を完全に上回る需要係数になっていまして、その中でも、特にETFという形で、金融商品という形で資金流入が増えてきているということですので、この高騰につながっていると思います。
ETFに流れ込んでおりましても、結局、昨年以来FRBが取っております信用緩和政策によって生まれてきています相当の流動性、これが今回は金を選んで、ETFという経路を通じて、どんどん入り込んできている。その結果としての金高騰というふうに見ていいと思います。
金利はこのまま長く続いていく、経済もなかなか上手く戻ってこないということで見ると、現状、この形が続いてくると思いますね。
一旦、この混乱が大きくなりますと、ドルの安全資産としての再評価という動きも若干出てくるかと思いますので、ここまでの9日間連続上昇から、一旦、若干ですけど、変わるという可能性があると思いますね。
なかなか資金の出し手がいない中、堅調と見られていました国が、こういった大きなショックを生んだということですから、特に国際金融市場に対するサプライズというのは大きかったと思いますね。
昨年11月から12月にかけて信用緩和政策が本格的に始まった時です。ここから金の上昇が始まっておりまして、この政策というのが、FRBが流動性の少ない枯渇している市場に、どんどん自ら資金を注入していくという、逆にその引き換えとして、FRBとドルの信認を小幅に低下させて、それと引き換えに、すべての金融市場を安定させて、経済を安定させていこうという政策ですから、当然、信認低下の引き換えに、ドル資産を持っている方とすれば、ほっておけば、自分のドル資産が目減りしてしまうということになりますので、その代替する動きをしなければということになってくるわけですね。
特に、最近ではインド準備銀行の多額の金購入が目立ちましたけれども、かなり金保有比率の低い、これまで低かった中央銀行ですね、こうしたところが、ドルの資産の目減りに多少は代行するためにということで、動いてきているということでありまして、一連として、あと中国、メキシコ等、IMFから購入するところが出てきているということですね。
極めて慎重な投資家である中央銀行が動くということは、すべての投資家にとって、心の支えになるということだと思いますね。
アメリカやヨーロッパの中央銀行のような6割、7割という水準からは程遠いわけです。仮に、アメリカ、ヨーロッパを目指すんであれば、ものすごい買い余地があるということ。もちろんそこまでいくとは限りませんけど。
前提として、金融緩和が長引くということになると、ドルの信認低下が緩やかに続いていくということになるわけで、投資家は当然それに対応していく。ただし、70年代から80年代にかけて強烈なインフレ圧力があった、あの時の高騰とは今回違いますので、上昇余地がそれほどない、その中での小幅の上昇となり、1300あたりを来年末にかけて達成するかどうかというところだと見ていますけれども。
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