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1頭だけ、4コーナーからようやくギアがトップに入ったかなと、そんな感じで、脚色が全く違う脚色ですよね

2009年11月2日放送 NHK BS1 世界の競馬

JRAアドバイザー 岡部幸雄さん

今回、パドックを見ていて、春先から成長したなと。もうパドックを悠々と歩いていますよね。耳の使い方とか、歩き方なんか見ていても、ゆったり歩くし、特に、シーザスターズ一人だけ落ち着きはらっているなというのが非常に印象的ですよね。緊張してたら、手綱って、両手で持たなければ駄目だし、あのようにぶらぶらしてられないですからね。右手だけでもって、左手は遊んでいてという感じですからね。全く馬任せで、本当に馬がリラックスしているなというのが見て取れますよね。

ちょっとスタートが良すぎて、よすぎた誤算というか、それでも、逆に言うと、遅れるよりはまだ自分でポジションを探せますからね。なだめてなだめて、頭上げ加減なんですけどね。オブライエン勢のペースメーカーが出てくれて、後ろに下げて、また後ろに下げて、この辺頭上げ気味なんですよね。我々見ているほうからすると、ちょっと頭上げるぐらい抑えつけなきゃならないのかなというのがちょっと印象的だったですよね。あの位置でベストポジションだと思うんですよね。あんまり内埒沿いでもないし、前に壁を作るということをキネーン騎手は意識していたと思います。ロンシャンのこのコースは、3コーナーからフォルスストレートを通って、4コーナーを向くまでの距離が相当ありますから、外を回ってしまうと、距離ロスがすごく大きくなっちゃうんで、どのジョッキーもみんな外に出たくないんですよね。馬場状態が、今回のように内外関係なしに、いい馬場状態なわけですから、できるだけ距離ロスをしないというのが鉄則ですよね。さあ行くぞとゴーサインを出してからの早さはすごいものがありましたですね。さっと追い出すと、ビジョンレタの内に入って、あっという間ですよね、出てくるのが。1頭だけ、4コーナーからようやくギアがトップに入ったかなと、そんな感じで、脚色が全く違う脚色ですよね。乗っている騎手に取ったら、騎手冥利と言おうか、もう快感ですよね。これがシーザスターズの強さだよというのを本当に見せてもらいましたね。

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