バフェット氏の動きが、指数に与える影響も、ますます大きくなるいうことが言えるかと思います
2009年11月11日放送 テレビ東京 Newsモーニングサテライト
T&CフィナンシャルリサーチUSA 和田康志さん
先週、バフェット氏は鉄道会社最大手のバーリントン・ノーザン・サンタフェを100%子会社化すると発表しました。それを受けて、保有するほかの鉄道株を売却する必要が生じたといわれています。バーリントン買収は総額約2.3兆円とバフェット氏にとっても、過去最大の投資であり、バフェット氏の米国景気に対する自信を示すものとして、先週半ばからの株価急騰のきっかけの一つにもなっています。本日は、バークシェー・ハザウェイが売却するという報道を受けて、輸送株指数は一時、前日比1%近い下落となりました。
鉄道会社は、石炭などの原材料を運ぶ国内物流のかなめですから、米国景気の影響を大きく受ける業種と言えます。ただ、経営陣は必ずしも先行きの楽観的ではなく、バーリントン・ノーザンにしても、7-9月期の決算発表時には、社内の効率を高めているが、当面、経済低迷の影響を受けるだろうとしています。輸送株20社で構成されるダウ輸送株指数をみると、リーマンショック前の水準どころか、今年9月や10月の高値を超えるまでには回復しておらず、出遅れていると言えるかと思います。
市場では、バフェット氏の今回の動きは傘下のエネルギー企業との相乗効果が目的であり、短期的というよりは、長期的なスタンスによるものと見る向きも多いようです。実は、今回もう一つ注目されているのが、買収に伴い、バークシャー・ハザウェイが初の株式分割を50対1で実施すると発表したことです。バークシャー・ハザウェイは時価総額が約14兆円と上位11位にランクされて、アメリカの巨大企業と肩を並べる巨大企業です。これまで、1株当たりの株価が大きすぎ、S&P500の基準に合わなかったのですが、今回の株式分割を機に、指数に採用されることになれば、バフェット氏の動きが、指数に与える影響も、ますます大きくなるいうことが言えるかと思います。
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