1月効果にはもう一つありまして、これは減税対策で売られた株の買い戻しが1月に入りやすいというものなのです
2009年12月22日放送 テレビ東京 Newsモーニングサテライト
アメリカ大和証券 三栖健児さん
各国の状況にだいぶ違いが出てきていること、これが相場を難しくしているんだと思います。アメリカでは、景気認識が改善し始めたことで、長期金利が上昇し始めて、株の頭を押さえる要因として意識し始めています。また、中国では、不動産規制を強化するなど新興国相場は、バブル防止のガス抜きモードに入っているというイメージです。そうかと思えば、ヨーロッパでは、信用不安でリスク回避の動きが出てきているといったところで、ドル相場を見ましても、アメリカの景気回復でドルが買われたかと思えば、ヨーロッパの信用不安でユーロ安ドル高という形で、ドルが買われるといった具合で、方向感がつかみにくい相場になっていると思います。年末年始特有の波乱材料もありますので、目先は積極的な投資行動には出ずらいところだと思います。
まず、債券でいうと、12月は企業が年末の資産内容をよくしようとするために、米国債は通常の月以上に買われる月です。短期国債がマイナス利回りになっているのも、これを象徴しています。10年債利回りが3.5%未満で落ち着いているのも、もしこのおかげだとすれば、反対に、年明けに急上昇のリスクも考えられます。今の経済状況で10年債利回りが4%を超えたりすると、さすがに株が売られる可能性が高いと思います。むしろいい景気指標があだとなるといった場面も考えられるところですね。アメリカでは、年末年始に企業業績の見通しの修正も普通に出てきますので、今回、年末商戦も後半に期待と言われていたんですが、大雪に見舞われているということもあって、読みずらくなっている、これもリスク要因だと思います。
ディフェンシブに向かう方向とそれ以外にも、上昇相場とは逆に下落してしまっている銘柄にも1月効果を狙った物色というのが入ってくる可能性があるとみています。世間でよく知られている1月効果というのは、年が明けて、ファンドの新規設定で市場の需給が良くなるというものだと思います。ただ、1月効果にはもう一つありまして、これは減税対策で売られた株の買い戻しが1月に入りやすいというものなのです。前の年に下がったような銘柄が、1月に一時的に買われるケースが過去見られています。今年は全体相場が上がっていますので、減税対策で損だしの需要は復活している可能性はありますので、久しぶりに、こちらの1月効果が見られる可能性があると思っています。
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