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そもそも利益を上げるために安全をおろそかにして、それで事故が発生して、莫大な損失が発生する。非常に馬鹿げた話ではないですか

2010年1月22日放送 NHK総合 特報首都圏

なぜ起きる クレーン事故

労働安全衛生総合研究所 主任研究員 高木元也さん

ヒューマンエラーの背景には、いろんな昨今の不況とか、工事の受注の激化、そういったものが背景にあって、そういったものがあると作業者とか、クレーンのオペレーターにはそれが実質的なプレッシャーになってヒューマンエラーが起こってしまうとそういったことが言えるんでしょう。大事なのは、ヒューマンエラーによる災害というのはなくならないんだ、ヒューマンエラーはなくならないんだという発想で、その発生をいかに防ぐか、そういったものがポイントになります。

今、一番感じているのが、安全意識の向上で、企業経営者に対して、安全意識を向上させることが大事ではないかと思っています。企業経営者に、労働災害が発生したら、莫大な損失が発生するんだよと。そういったものを知らしめることによって、安全意識の向上を図ろうと狙っています。私どもの実態調査で、実際に事故が発生したところにどれぐらい損失が発生するのかというのを調査したことがあるんです。例えば、死亡災害が発生すると、労災保険以外の遺族への上積み保障とか、あるいは示談金とか、そういったもろもろをたすと、1億円以上を越えてしまうような例とか、あるいは、死亡災害に至らなくても、事故を起こすと、次の仕事がもらえない。公共工事の場合は、指名停止があって、入札に参加できない。そういったものがあって、1億円以上の損失が、そんな例もありました。莫大な損失ですと、中小企業の場合、一気に倒産の恐れもあるような、そういったケースも考えられると思います。そもそも利益を上げるために安全をおろそかにして、それで事故が発生して、莫大な損失が発生する。非常に馬鹿げた話ではないですか。そのためにも、現場の安全対策に十分な費用をかける、それが一番重要だと思います。

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今日の印象に残った言葉に、小生の言葉を取り上げて頂き誠に光栄です。

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