どんなタイプにも万能な、副作用もない、最終的には理想ですね。私はそれを八方美人薬と呼んでいるんです
2010年1月19日放送 NHK総合 爆笑問題のニッポンの教養
クスリの運び屋参上
分子薬物動態学 東京大学薬学部長 杉山雄一さん
多くの抗がん剤も耐性が出てくるものが多いんですね。それは私の研究にも結構つながっていて、例えば、そういうのって、多剤耐性って言うんですが、抗がん剤Aを使っているときに、抗がん剤Aによって効かなくなった。耐性ができた。Aによって効かなくなったら、実はBにも効かなくなる。Cにも効かなくなるといって、耐性が多くの薬に及ぶことを多剤耐性というんですが、今、われわれ研究者が狙っていることは、そのくみ出しの運び屋の能力を別の薬で止めてやれば、お薬が効くようになるから、そういうふうな方法もあるんです。
本当はもっと理想は、テイラーメイド医療のいらないお薬がもっと理想なんです。どんなタイプにも万能な、副作用もない、最終的には理想ですね。私はそれを八方美人薬と呼んでいるんです。例えば、あるひとりのひとを好きになったときに、駄目だったらダメージが大きいわけです。だけど、八方美人をしていたら、みなさんに効くような薬を作るというのが薬の世界ではいいわけですよ。ひとりのトランスポーターだけに思い入れが強くなりすぎると、これが駄目になったときには。
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