今生きているものは、今のお客様に支持されて生きていかないなければいけませんね。そこはちょっと甘えだと思います
2010年1月18日放送 テレビ東京 カンブリア宮殿
四季ビジネスの全貌解明
劇団四季 代表 浅利慶太さん
芝居で食えるという話が出ましたけど、人件費を払わないで成り立つ組織なんてないじゃないですか。劇団だけが人件費を払わなくていいなんて、そんなバカな話はない。そんなことを言っているから、作品のレベルが下がるんですね。経営というのは同じです、何をやろうと。
僕のジャンルでは国の援助は要りません。今まで劇団四季は国の援助、あるいは自治体の援助をいただいたことがないんです。それこそ、今現在ではとても受け入れられないような芸術とか、過去のものになった能とか、狂言とかというものを援助するということは大事だと思います、保存のために。でも、今生きているものは、今のお客様に支持されて生きていかないなければいけませんね。そこはちょっと甘えだと思います、僕らのジャンルについてはですよ。他の芸術のジャンルについてはよくわかりませんけれども。
僕は日本で非常に感動的なのは、外国から見ると、大阪でもできて、名古屋でもできて、福岡でも札幌でも1年できるのかって、感動するんですよ。まず所得水準が東京だけが高いんではないんです。割と安定している。それと、やっぱり義務教育制度、浸透してて、知的レベルが平準化しているんですね。もうひとつは、情報は発信すると一瞬で全国に広がる。その三つの条件で、素晴らしいお客様が育っているんですね、社会的に。お客様が感動するものを作れば、やっていける。
みんな左も右も東京に集中しちゃっていますね。我々は日本全土で演劇の感動を味わってもらうというのが劇団の理念だと、こう言った手前、何10万回、全国でやっています。それを劇団というものが社会的な義務ですね。一つの仕事は必ずその特性と同時に、社会に属する義務を負ってなければなりません。そこは四季は一生懸命やっています。
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