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日本の心臓が機能しなければ、岡田ジャパン全体が機能しなくなることが浮き彫りになった

2010年1月24日放送 TBS S☆1スパサカ

指揮官はダブルボランチをこう評する。ふたり合わせて日本の心臓。
この男のパスがワールドカップでの命運を握る。アジアナンバーワンゲームメーカー、遠藤保仁。またの名を日本の右心房。
ブンデスリーガで鍛えたダイナミックなプレー。ドリブルでピッチを切り裂き、ミドルシュートでとどめをさす。長谷部誠。またの名を日本の左心房。
この二人の共通点は、本来攻撃的な二人をボランチに併用する理由とは。
岡田の常識。そう、日本は過去のワールドカップでも、常に守りと攻めのボランチを組み合わせてきた。日韓ワールドカップでも、トルシエは守りの戸田と攻めの稲本を使い、中盤のバランスを取った。
黄金の中盤と評されたジーコジャパンでも、ジーコが最終的に中田と組ませたのは、守りの福西だった。
では、南アフリカに挑む遠藤と長谷部の関係は。
現在は遠藤のほうが守備的な役割を担っているというが、本来彼は攻撃面でこそ真価を発揮するプレーヤー。なぜ岡田監督はサッカー界での常識を覆し、攻撃的な遠藤と長谷部を併用しているのか。その秘密は岡田ジャパンの目指すサッカーにあった。
全員攻撃、全員守備こそ、岡田ジャパンの理想。センターバックが積極的にオーバーラップし、フォワードが献身的にディフェンスするスタイル。では、日本人らしいサッカーを極めるために、最も必要なことは何なのか。
攻撃的ボランチとして、2人の感覚は驚くほど似通っていた。縦へのパスを常に意識していた。横や後ろへのパス回しだけでは、世界には勝てない。
攻撃的な意識を共有し、不動のボランチとなった二人。その連携がさらに深まれば、ワールドカップでこんなゴールが生まれるかもしれない。
二人が初めてコンビを組んだのは2008年のオマーン戦。オフェンシブミッドフィールダーだった遠藤が一列下がり、長谷部とのタッグを結成。以来、17試合にわたって、日本の心臓部を担ってきた。これまでの常識を覆す攻撃的ダブルボランチの起用。果たして岡田監督が決断に至った理由とは。
ボールを奪われなければ、失点することはない。そんな岡田ジャパンの理想形が垣間見らたのがオランダ戦の前半だった。前線から激しいプレスをかけ、ボールを奪い、巧みなパス回しでゴールを狙う。現在、スペイン代表やFCバルセロナが得意とするこのスタイルで日本はオランダに挑んだ。見えてきた日本の理想形。
だが、世界はそんなに甘くなかった。3失点を喫した後半、遠藤と長谷部のボールタッチ数は激減、日本の心臓が機能しなければ、岡田ジャパン全体が機能しなくなることが浮き彫りになった。残された時間で、どこまで完成に近づけるのか。
遠藤と長谷部、世界を驚かす覚悟はあるのか。
最後に聞いてみた。ワールドカップ出場国で、日本の中盤はどのくらいの位置にいるのか。

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