これからは今まで通りではなくて、それを根本的に変えるようなことをやっていかなければいけないと思います
2010年1月15日放送 NHK総合 特報首都圏
JAL再生 社員たちの苦闘
早稲田大学 教授 戸崎肇さん
私は2点期待したいと思います。まず一つは外部からの起用ということになりますから、第三者の視点で、これまでなかなか見えなかったようなところを指摘してくれる。特に稲森さんはベンチャー企業である京セラを立ち上げたという経験がありますから、そうした革新性というものをこれまでなかなかオリジナリティが見いだせなかった航空業界にもたらしてくれると思います。それはJALにとって大きな貢献になると思いますね。よく現場では、今まで通り頑張るということがうよく言われますけれども、これからは今まで通りではなくて、それを根本的に変えるようなことをやっていかなければいけないと思います。第2点は、政治的、経済的に非常にものが言える人だということです。航空業界、これまでは、いろんなプレッシャーがあって、やりたいこともできなかった。やりにくかったというところがある。例えば、地方路線など不採算だといわれているところでも公的な役割として残してくださいというプレッシャーがあったわけです。それに対して、敢然と本当に必要なのかどうかという判断をし、それを対外的に説明できる、そして役割を果たしてくれるんではないかというふうに思います。
法的整理という大きなタイミングとなりますから、逆にいえば、これまでやりたくてもやれなかったことがいろいろできると思うんですね。だから、そういった意味では、経営のフリーハンドは出たけれども、逆に責任感というのが問われます。これまで同様な体験をしたデルタ、ユナイテッドでも同じような経験を通じて、人を通して再建を遂げてきたわけです。したがって、これからのJALもチームとして、どのように頑張っていけるのかということでしょうね。
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