ユーザーが間違った使い方をしてしまって起こった事故なんかは、感情的にはメーカーの責任ではないんじゃないかという、変な呪縛が起こってくるわけですね
2010年2月20日放送 NHK総合 追跡!A to Z
トヨタで何が起きているのか
危機管理専門家 田中慎一さん
品質の問題、実は自動車なんかは特にそうなんですけど、いわゆる二つの種類の品質というのがあるんですね。一つ品質の問題ですね。一つ想定内にある品質の問題。もうひとつは想定外の品質の問題。想定内にある品質の問題というのは、ある程度製品のなかにしっかりと組みこめるわけです。想定される安全に関するリスクというものをすべて洗い出して、それを設計という形でしっかりと商品に組み込むことができるわけですね。ところが、今回のケースは想定外の品質問題ですね。つまり想定される以外の、いわゆる使われ方をしたとか、ユーザー側がメーカー側が想定もしなかったことをしてしまったわけですね。それによって、起こってきた事故だと思うんですね。実は、ここの部分の品質の問題というのは、一つは大きな落とし穴があるんですね。なぜかというと、想定外のものというのは、製品の品質には組み込めないわけですから、想定外、例えば、ユーザーが間違った使い方をしてしまって起こった事故なんかは、感情的にはメーカーの責任ではないんじゃないかという、変な呪縛が起こってくるわけですね。そういうときに、どこまでメーカーとして品質を守るという覚悟を決められるのか、そういう意味では、仮にこういう想定外の使われ方をして起こった事故であっても、やはりある程度メーカーとしては対応していくというのは、これからますます重要になってくるんじゃないかと思いますね。
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