彼女ら、彼らはわざと抑えつけて、わざとわざと出さないように出さないように抑えつけてしまっているような気がします

2010年2月16日放送　ＮＨＫ総合　プロフェッショナル　仕事の流儀

定時制高校、明日への一歩

高校教師　岡田倫代さん

ゆっくり聞かないと、喋ってくれないし、コミュニケーション、本当にできない子がいるんですね。だから、ゆっくりじゃないと彼らも考えて、自分の言葉を出しているわけで、言葉の一つの意味を私が一生懸命考えるわけで、ぼそっと言った言葉がものすごく重かったりするんですね。だから、ゆっくりゆっくり、世の中速いじゃないですか、何でも速いでしょ、その子たちがこの世の中の速さについていけないのかなと思って、その子のペースでいいんじゃないのかなと私はいつも思っていて。
なんでこんなに喋らないんだろうと思っていた子が、ゆっくりゆっくり喋っていくうちに、ものすごく感情豊かな子で、何かを表現させたら詩人のようにいい言葉を出してくれたりとか、そういう子もいましたし、接すれば接するほど、心の中にもっているものが熱いというのが私はすごく感じるんです。だから、普通の人間がこのくらいの幅だとすると、ものすごい幅を持っていて、それをいいように使えばいいんですけど、それを彼女ら、彼らはわざと抑えつけて、わざとわざと出さないように出さないように抑えつけてしまっているような気がします。いかにそれを出したらいいのにって、ＯＫ、ＯＫと言って、自分の感情をストレートに出せるように支援するのが私の役割かなと思っているんですけど。それと、もっともっと輝けるようになると思います、生徒たちは。