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誰かのためにというよりも、もし、私に何かできることがあって、一緒にいて、共鳴できるというか、分かち合えるものができたら、本当に幸せって

2010年3月7日放送 NHK BS1 関口知宏のファーストジャパニーズ

中国 北京鄭州 中国武術 横山春光さん

何で太極拳しているのって聞かれて、私、そのときふって考えて、私は心に闇があるんですって言ったら、先生がちょっと待って、みんなちょっと黙ってという感じで、これ大事って、その闇をよく見てという感じで、えって。みんな、闇なんか、過ぎ去った苦しさなんか忘れろとしか言わないじゃないですか。振り返って、その闇を凝視しろというんですよ。嬉しくてうれしくて、だって、それがやりたかったんですけど、やったら間違いだって思わされていたというか、思っていたというか。

私、小さいときに苦しくて、登校を拒否してみたり、家で、自閉症までは行かないですけど、1年ぐらいほとんどしゃべらない時期があって、入れ替わり立ち替わり、児童相談所の先生とか、担任の先生とか、友達とか、親とか、親せきとか来るんですよ。どうして学校に行かないのって。答えられなくなっちゃって、最初は、いろいろ自分なりに理由を作って言うんですけど、結局、どれ一つ本当の理由ではなくて、喋れなくなってきて、そのときに思ったのは、助けてほしいって。誰かに助けてほしいって。ここから手を引っ張って、連れ出してほしいと思ったんですよ。渇望というか、でも、そういう人は訪れないですから、自分で出ていかないと。そのときに、でも、もし本当に分かってくれる人、この苦しみとか、わかってくれる人がいたら、どんなに自分は救われただろうって思って、それができる人になりたいというのが一つだったんですね。今、素直に言えるのは、自分はまだできないかもしれないんですけど、今は、私の能力でも、でも、言えるようになったんですね。誰かのためにというよりも、もし、私に何かできることがあって、一緒にいて、共鳴できるというか、分かち合えるものができたら、本当に幸せって。私は今、言えるんですね。できなくても。そんなこと言ったって、何もできないじゃないとか、言われるかもしれないですけど、でも、それでもやっていこう、その決心は強いと思います。

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