株と債券との間で今までは国境みたいなものがあったんですが、なくなってしまった感じがあるんですよ
2010年3月20日放送 BSジャパン マーケットウィナーズ
ITCインベストメント・パートナーズ(株)取締役 岡崎良介さん
1998年、この時代から何が起きたかというのを列挙してみると、こんなところが浮かび上がってきます。ロシア危機がありました。それからヘッジファンドが成長してきました。投資銀行が隆盛しました。BIS規制がいろいろ作られたとかあるんですが、私は一番大きな影響力を持った出来事は、CDSの誕生。クレジット・デフォルト・スワップ、AIGという保険会社を破たんの淵に追いやった、あるいはリーマン倒産の原因を作った取引なんですが、要は、信用リスクを売買するという、そういう形態の取引なんですね。そのCDSというものが誕生した結果、今までは別々の動きをしていた株と債券、とりわけ社債のマーケットですけれども、これの間の国境がなくなってしまったようなんです。これ、21世紀の金融市場の一つの形態になったと思うんですけれども、金融の世界では国境がなくなったとよく言われます。アメリカの株を買うこと、中国の株を買うこと、ブラジルの債券を買うこと、国境がなくなりましたね。その一方で、株と債券との間で今までは国境みたいなものがあったんですが、なくなってしまった感じがあるんですよ。
同じように動いていますよね。分散投資が非常にやりにくくなりましたね。
少なくとも社債というマーケットはほとんど株と同じような動きをするようになってしまったんです。となると、考え方を変えねばなりません。一緒になって動くのであれば、一緒になって動くということを前提として、市場全体のリスクを測るための新しい指標がこれからの時代必要になってきたと思います。
それはまた来週ということで。
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