遺伝の影響があるのに、ないよと言って、誰でも努力すれば、天才になれるとかね、社会の環境状況を平等にすれば、みんな平等になるなんて言うのは、これはやっぱり嘘

2010年4月13日放送　ＮＨＫ総合　爆笑問題のニッポンの教養

双子だけの秘密

行動遺伝学　安藤寿康さん

人によって遺伝子が違う、そして才能が違うみたいな話をしましたけれども、一方で、99.9％までＤＮＡの配列というのは同じ。それと同じように人間というのは、膨大な遺伝的共通性を持ち、それは人間だけではなく他の生命との共通性を持っているという圧倒的な多くの生物としての共通性に目を向けさせるのも遺伝なんです。太田さんの話を聞いていると、一点を焦点当てて、そこをグワッと強調されるから、話は面白くなるんですが、バランスの世界なんですよ。僕たちは両方同じように見ようとしようとしているんです。つまり同じところと違うところが両方見えて、初めて遺伝と環境の影響というのが見ることができるので、ともすれば、どちらかだけで話を、本当にどちらかだけで話を作りたがるんですよね。同じというところだけで遺伝の話をし、一卵性だって、こんなに違うんだから、遺伝は関係ないんですよという話に行っちゃったりする。バランス感覚がとても大事なんではなかと思っています。
一番人間にとって重要なのはバランス感覚。嘘はつきたくないわけですよ。遺伝の影響があるのに、ないよと言って、誰でも努力すれば、天才になれるとかね、社会の環境状況を平等にすれば、みんな平等になるなんて言うのは、これはやっぱり嘘なんで、本当のところでみんなが平等で、みんなが幸せになるためには、どこかで本当のところに光を当てて、このことを基盤に話をしてほしい。