日ごろから自分のことを温かく許してみてあげるような心のゆとりというのが、実は依存症から遠ざけるための一番の方法なんかないかなと私は考えています

2010年4月2日放送　ＮＨＫ総合　特報首都圏

飲みたい女たち

精神科医　香山リカさん

女性は依存症になりやすい、しかも短期間でなってしまって、一度なると一生飲めなくなってしまうという依存症の実態というのをよく知るというのが大事だと思いますね。あと、お酒でコミュニケーションがうまくいくとか、ちょっと自分で自信を持てるというような、そういう効果もお酒にはあるんですけれども、一方で、お酒抜きでも楽しめる仲間、趣味、あるいはお酒がなくても自分で自分を許して、自分でも自信を持つことができるという日頃からの心の姿勢というのを大切にした方がいいんじゃないでしょうかね。
自分にいつも厳しくし過ぎて、そこから逃れるためには大量に飲酒するという極端なライフスタイルではなくて、いつもお酒がないときでも、自分に対して、まあ、これでいいんじゃない、とか、私もよくやっているよね、というふうに日ごろから自分のことを温かく許してみてあげるような心のゆとりというのが、実は依存症から遠ざけるための一番の方法なんかないかなと私は考えています。