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ゴールから下がっているんだけど、近づけながら、サイドは破らせない。なおかつ、ラインも上げれるような非常な柔軟な戦術をとってきたんですね

2010年5月2日放送 日テレ UEFAチャンピオンズリーグ09/10
準決勝ハイライト

都並敏史さん

オリッチというのは、華麗なプレーヤーではないんですけど、ストライカーに必要な形というのはしっかり持っているプレーヤーなんですよ。1点目のゴールなんですけれども、マイナスのクロスを反転しながらトラップして、キーパーの逆を突いてシュート。マイナスのクロスを受けた時、反転すると、ゴールキーパーって、どうしても反転したほうに体重をかけたくなって、左足に重心が乗るんですよ。その習性を突いて、逆を突くんですね。ボールが中央に移動している間、どうしてもキーパーはサイドステップで真ん中に移動するでしょ。それも体重がかかってしまうんですね。その習性を知っていますから、このシュートなんです。これは世界ではポピュラーなシュートで、実はヨーロッパ、南米でも子どもでもこのシュートをやろうとするんですよ。日本人がやらないだけ。これは本当にまねしたほうがいい。これは形なんですよ。絶対に逆突け。

モウリーニョ監督は単に引かしただけではなくて、バルサ相手に、サイドを警戒したようなしっかりとした守備戦術をたくさん用意しましたよね。他ではお目にかかれない、ちょっと違った戦術をとってきたんですけれども、サイドからの侵入を警戒して、特にサイドにボールが来たときには、マイコンをすぐに近くに寄せたいわけですよ。そのときに、ルシオとマイコンの間が開いてしまう。本来であれば、センターバックがスライドして、もっとよってくるんだけれども、イブラヒモビッチも怖いじゃないですか。中でのヘディングも十分注意しなければいけないんですよ。真ん中にいさせるわけですよ。そのスペースに対して、ほかの選手がカバーする。カンビアッソ、ミリート。これを徹底するわけですから。でも、下げたボールに対して、早く行かないとミドルシュートを打たれますから、早く行きますよね。そして、全体のラインを上げて、オフサイドを取った。ゴールから下がっているんだけど、近づけながら、サイドは破らせない。なおかつ、ラインも上げれるような非常な柔軟な戦術をとってきたんですね。モウリーニョがやっている戦術で、ほかのチームはあまりしないんです。センターバックがスライドするのが一般的ですから。

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