MBAが発表している指数は、19997年以来約13年ぶりの水準に低下、つまり新たにローンを組んで、住宅を購入しようとする人が減少し続けているということです
2010年6月29日放送 テレビ東京 Newsモーニングサテライト
岡三証券NY 西川泰亮さん
先週、中古住宅と新築住宅の販売件数がともに市場の予想を大幅に下回りました。また、フレディマックが先週発表した住宅ローン固定金利30年物は過去最低を更新、歴史的な低金利です。にもかかわらず、全米抵当貸付協会、MBAが発表している指数は、19997年以来約13年ぶりの水準に低下、つまり新たにローンを組んで、住宅を購入しようとする人が減少し続けているということです。このように、各種データからも足元の弱さが伝えられ、住宅市場の二番底を予想する声が再び聞かれる状態になっています。
今週は、ケース・シラー価格指数や中古住宅成約指数が発表されます。この中古住宅成約指数は売買契約が成立した時点でカウントされるため、住宅の受け渡しが完了して初めてカウントされる中古住宅販売件数の先行指標とされています。これについての市場予想は現在、前月から14%程度の低下となっています。前月比で二ケタという大幅な低下は2001年の統計開始以来、昨年11月にしか記録していません。
29日に発表されるケース・シラー価格指数では、全米の主要20都市における住宅価格の動向が示されます。その中には、ラスベガスやデトロイトのように、依然として低下傾向にある都市も見られますが、サンフランシスコやサンディエゴのように底入れ観のある年も見られます。私は当面、こうした二極化が進む可能性があると思います。広大なアメリカの住宅市場全体を漠然とよい、悪いで表現するのではなく、改善傾向にある都市が広がりを見せるのか、もしくは底割れしている都市の悪化が続くのか、といった評価の仕方が今後重要になってくるのではないかと考えております。
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