日本人って不思議で、他人というのは神様と同じで、おもてなしの対象なんです。我々もこれはよくやるんですよ、手刀は

2010年6月5日放送　ＮＨＫ ＢＳ1　ＣＯＯＬ　ＪＡＰＡＮ～発掘！かっこいいニッポン　
しぐさ

作家　荒俣宏さん
まさにこれは、日本人って不思議で、他人というのは神様と同じで、おもてなしの対象なんです。我々もこれはよくやるんですよ、手刀は。人の前の空間、これはこの人の一番聖なる空間なんで、だから、人の前を通り過ぎる時には、大変大切な場所を通り過ぎるので、縄が張ってあるんです、昔は、結界と言って。ここは私のものよという前の空間、それをちょっとすみません、切らしてくださいというので、カットして、前を通って、後ろで閉じるという、非常に丁寧で、伝統的な、非常に上品なジェスチャーなんです。

マニュアルというのは確かに重要なんだけれども、どこかマニュアルから外れたことというのは、考え出さなければいけないということは十分可能性がありますね。
恋愛って、誤解と幻想の塊ですからね。誤解と幻想をどう与えるかって、オリジナルのほうがたぶん効くんじゃないかって感じがしますわね。

日本の接客の基本は、助け合いということになるんですよ。暮らし方をお互いみんなで助け合うということがあるので。だから、これはフォーマルのように見えるんだけど、実は本人が自発的にやらないといけないんです。言われてやるんではなくて、自分で気がついてやる。なかなか打ち解けてくれない。これ、1回や2回じゃ打ち解けないんです。最初に来る人にはフォーマルなサービスなんです。3回、4回になるとプライベートなサービスになってくるので、あなたと私の間で、一つちょっと付け加えましょうねというフレンドリーなまさにサービスになってくるんです。