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このゴールは生まれるべきして生まれた

2010年6月19日放送 TBS スーパーサッカー

右サイドに入った松井は、開始から軽快な動き。右足でこの試合1本目のクロスを。岡田が指示を出す。キーパーとディフェンダーの間にどんどんクロスを入れろ。そして2本目のクロスも右足。カメルーンは松井の右足を警戒していた。
左サイドに入った大久保は岡田に言われていた。カメルーンの右サイドはムビア、センターバックが本職。ムビアは当初、中に入る大久保の動きに全く付いてこなかった。実は大久保はそれを見越して走っていたのだ。そして、前半20分、長谷部のクロスに大久保が飛び込む。空いたスペースに本田。この時、ムビアは大久保の動きを警戒し、徹底マークしていた。これが二つ目の伏線となる。
この試合、実は川島のゴールキックにはある狙いがあった。本田が競り勝つこの場面。カメルーンの2番アスエコットはジャンプすらしない。再びゴールキック。同じ方向へ。やっぱりアスエコットは競り合わない。二人はターゲットを絞った。
そして、3つの伏線が一つの大きなうねりとなる。あの歓喜の瞬間を生むことになる。
川島のキック。本田が相手に競り勝つ間に大久保が中に入る。遠藤からボールを受けた松井は今度は切り返して、左足でクロス。大久保がゴール前で潰れ、本田圭佑。
もう一度見てみよう。川島のキックを本田が競り勝ち、大久保がムビアを引きつれ、松井の右足を警戒していたディフェンダーはフェイントについていくことができなかった。そして、松井の左足からのクロスボールは大久保とムビアの頭上を超え、本田へ。このゴールは生まれるべきして生まれた。

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