一人も早いFWがいない。メッシやロナウドのようなスピードのある選手はいない。モダンなサッカーではスピードがないとやっていけない
2010年8月1日放送 スカチャンHD イビチャ・オシム 最終章 2014年へのメッセージ
日本人100人が海外でプレーすることだけを目指すのはどうだろう。海外組は今の人数でほぼ十分です。力を発揮できるとは限らない。海外に移籍するためだけに、協会が音頭を取るのはいけない。日本人のオリジナルは何かを考えるべきです。海外から戻ってきた日本人で成功した例が少ないですよね。日本に帰ってきて力が落ちている選手が多いのです。日本のスターシステムは感心できません。全体としてスターシステムのスポーツが多いです。メディアがスターがいないと書けない芸能界のような状況です。サッカーにとっては危険です。スターになった俊輔、小野、中田が日本に戻ってきても、以前のようなプレーができない。高原もそうですね。海外で何をしてきたのか。もし高原が海外で見せた水準で浦和でできていたなら、南アフリカに行っていただろう。しかし、環境が変わってコンディションを落とし、年齢的にも厳しくなってしまった。そのへんを具体的に分析したらいいと思います。
まずはユースのスタッフを優秀な人にすること。他の監督が何をやっているかメモばかりを取る人はユースの監督に向きません。子どもにサッカーを教えなくてはいけない。ただ走ってろと指示する人では駄目です。選手を見る目が必要です。若者たちは強いるのではなく、喜びのためにプレーさせるべきです。セレクションの段階でスピードがあるか、背は将来伸びるか、持久力はあるかといったことを考慮すべきです。今はボール扱いの巧みさだけが考慮されている。ひとりがとてつもないテクニックを持っていても、集団でなければサッカーはできない。そこで間違ったセレクションが行われることが多い。つまりユースを卒業する時が大事なのです。才能を持った若者はトップに昇格するかどうかの時に、スピードがないということを発見します。それは大きな悲劇ですね。20歳前後になって突然、プロ向きでないと通告しなくてはいけない。悲劇です。これは繰り返してはいけない。子どもにはサッカーとは何かを正しく教えなくてはいけない。メッシやロナウドやロナウジーニョのまねをしろというコーチはいませんか?真似はできませんよ。一度できても二度はできません。そうすると、子供はストレスを感じます。メッシのようにはなれませんから。真似をすることはネガティブな側面もあるのです。
日本のプロの1000人というのは少ないです。そして、一人も早いFWがいない。メッシやロナウドのようなスピードのある選手はいない。モダンなサッカーではスピードがないとやっていけない。特に後ろから飛び出してくるようなケディラやミュラーのような選手がいない。
ひとりひとり比べれば、日本の選手と見劣りはしない。技術を見れば、中村俊輔や中村憲剛のほうがテクニックは上だと思います。ただ、ケディラやミュラーは100メートルダッシュを何度も繰り返した状態で競り合ってボールを取って正確なボールタッチで正確なパスを出せます。
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