日本、よく考えてねというふうに提案しているわけですよ。だから、そのあたりも気をつけないと我々は非常に厳しいルールなき戦いの中で、いざとなったら食料も買えない
2011年11月12日(土)週刊 ニュース深読み「TPP どう守る?私たちの食卓!」
東京大学農学部教授…本間正義さん
東京大学大学院農学生命科学研究科教授…鈴木宣弘さん
今の議論がちょっと危険なのは、TTPやった方が例外がたくさん作れるみたいじゃないですか。TPPというのは今までのFTAとは全然レベルの違う例外を認めない関税もルールも共通化するということを前提としているわけだから、今までよりも厳しい、農薬で言えば、厳しい基準とか、表示義務もやっていない国は正しいと言えば、それを認めさせられるということを前提に交渉するわけだから。
関税については99%含めてほとんど撤廃しましょうということですけれども、多くの分野、21分野で議論しているわけですよ。それはアメリカのごり押しがそのまま通る話では全くなくて、だからこそ交渉してひとつひとつルール作りをしていきましょうという話なんですよ。だから、まさに交渉で、一か国のごり押しを止めるためにも10カ国、ないしはTTPは10だけではおさまらず、もっとAPECワイドというんですが、21か国地域に広げようとしていますから、そうするともっともっと共通のルールとして幅広くみんなが交渉できるものになっていくと、そういうステップにすぎないんですね。
アジアの国々、中国も韓国もタイもインドネシアも警戒してノーと言っているわけです。ASEANはアメリカ主導の無法ルールでアジアが席巻されたら大変なことになるから、ASEANが主導してアジア太平洋の別のルールを作りたい。日本、よく考えてねというふうに提案しているわけですよ。だから、そのあたりも気をつけないと我々は非常に厳しいルールなき戦いの中で、いざとなったら食料も買えない。
共通のルールを作るというのがTTPの目的なんです、間違えないように。
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