年末商戦が好調だったことが年明け以降の製造業の受注の回復につながり、景気全体を引き上げるという好循環になる可能性もあると考えています
2012年1月20日(金)Newsモーニングサテライト
東海東京証券アメリカ 原田未果さん
年始からセクター別のパフォーマンスを見ると、素材株に次いで金融株が上昇しています。背景は3つ考えられます。第1に、アメリカの金融機関の株価は売られ過ぎの状態でした。金融セクターの株価純資産倍率、PBRの推移ですが、業績の不透明感を背景に、昨年中ごろから1倍以下と、つまり純資産以下の推移が続いていました。第2に、ECB3年物の資金供給を境に欧州初の金融危機懸念が後退した可能性です。第3に、世界的な低金利下での金融相場の仕上げ局面に入った可能性です。市場の余剰資金が今後の景気回復を先取りする形で、昨年は素材、エネルギーなどのセクターを押し上げましたが、その仕上げ局面で金融セクターへ流入し始めたと考えられます。
最近の株価堅調ぶりを見ると、金融セクターの業績の最悪期は過ぎたという市場の判断だと思います。株価は金融セクターの長かった冬は終わり、春の気配です。S&P500種14種分類ベースでは地方銀行や保険も含む金融は全体の14%を占め、市場全体への影響は大きくなると思います。
1月のフィラデルフィア連銀製造業景気指数は7.3と予想を下回りました。ただし、アンケート調査を指数化したものですので、細かい数字よりも方向性や水準が重要です。本日は同時に12月の数値が下方修正され、6.8となりましたので、これを上回ったことになり、回復の方向性に変化はないと考えています。ニューヨーク、フィラデルフィアの製造業景気指数とも上昇傾向は継続し、6カ月先の予想も堅調でした。来月初旬のISM製造業景況指数に期待が膨らみます。年末商戦が好調だったことが年明け以降の製造業の受注の回復につながり、景気全体を引き上げるという好循環になる可能性もあると考えています。
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